パン作りにチャンレンジしたいけど、どのイーストを使えば間違いないのか知りたいという方へ。パン酵母の種類と、初心者でも簡単に使えてプロも利用しているおすすめのイーストをご紹介&解説します。
こんな疑問にお答えします:
- イーストは種類がたくさんで、どれを使えばいいか分からない
- 初心者におすすめのイーストはどれ?
- イーストを使うときの注意点は?
先に結論をお伝えすると:
初心者は、サフのインスタントドライイーストを使えば間違いないです
おすすめのインスタントドライイースト、使い方、注意点もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
それでは、詳しく見ていきましょう:
1.パン酵母の種類
イースト(パン酵母)の種類は下図のように、枝分かれをしていますが、本記事では、初心者でも扱いやすい、パン酵母を純粋培養させた「イースト」について解説していきます。※スーパーで売っているインスタントドライイーストも純粋培養のパン酵母です。
1-1 パン酵母と自家製発酵種
初心者におすすめのイーストをご紹介する前に、イースト(パン酵母)の基本情報を簡単にご紹介します。
パン酵母とは、自然界に存在している多数の酵母のうち、パンの発酵に適した働きをする菌株のことをいいます。
パン酵母のみを純粋培養させたものを、わたしたちは普段「イースト」と呼び、レーズンや小麦などを培地にしてパン酵母と乳酸菌など他の微生物も一緒に培養したものを、「自家培養発酵種」といいます:
☞パン酵母を純粋培養させたもの
2.自家培養発酵種
☞パン酵母以外の微生物も共存している発酵種(レーズン種、ルヴァンなど)
本記事では、純粋培養のパン酵母について、説明していきます。
☞あわせて読みたい:
イースト(パン酵母)とは①「天然酵母」と何が違うのか?【解説】
1-2 生とドライ
現在、日本で利用されているイースト(パン酵母)は、3種類です:
2.ドライイースト
3.インスタントドライイースト
■ 生イーストとドライイーストの違いは、水分量
生イーストは、水分量が70%と多いです。
一方、ドライイーストは、4~8%程度です。
■ 生イーストはふんわり甘いパンと相性がいい
生イーストは、しっかりした発酵力をもっているので、ハード系から菓子生地などリッチなパンまで使えます。特に、日本の生イーストは糖分の高い生地との相性がよく糖分が20%の生地でも、パンがふんわり仕上がります。イースト臭もほとんどしません。
■ ドライイーストは、糖分の少ないハード系向け
一方ドライイーストは、糖分の多い生地には弱いのでバゲット等のハード系で利用されます。発酵の香りを楽しみたいパンに向いています。ドライイーストは、イーストが休眠状態なので、予備発酵が必要です。
■ インスタントドライイーストは、オールマイティ
ドライイーストを扱いやすく加工したものです。予備発酵が不要で、イースト臭も気になりません。保存もきいて、手軽に購入できます。低糖生地用と高糖生地用の2種類があります。
■ 一覧表
それぞれのイーストの特徴をまとめてみました:
生イースト | ドライイースト | ||
ドライイースト |
インスタント ドライイースト |
||
水分量 | 70% | 4~8% | |
保存方法 | 冷蔵 10℃以下で1週間、 5℃以下で1か月で使い切る |
冷暗所・冷蔵 |
冷蔵 |
使い方 | 手で砕いて直接投入 | 予備発酵してから投入 | 粉に混ぜて投入 ※予備発酵不要 |
特徴 | ・イースト臭がのこりにくい ・ふんわりする ・砂糖が多い生地との相性がよい |
・発酵の香りを楽しめる ・リーンなパンとの相性がよい ・イーストが仮眠状態なので、長期保存可能 |
・オールマイティーに使える ・低糖生地用と高糖生地用がある |
パン屋などでは、生イーストがよく利用されますが、水分量が多いので、鮮度の管理を気を付ける必要があります。初心者や、ご家庭でパン作りをする方は、インスタントドライイーストが使いやすく、保存もきくのでおすすめです。
1-3 低糖タイプと、高糖タイプ
インスタントドライイーストを使う場合は、生地の糖分量に応じて、次の2種類を使い分けます:
砂糖の添加量が粉に対して12%までの生地向け
2.高糖生地用・耐糖性タイプ(菓子パン)
砂糖の添加量が粉に対して12%以上の生地向け
特に、糖分の多い生地は、イーストの発酵活動を阻害してしまうので、耐糖性タイプのイーストを使うと発酵が安定します。
☞あわせて読みたい:
- 耐糖タイプのイーストの使用について:
イーストの使用量:パンの種類別の目安量&おすすめのイースト - 砂糖の添加量と、発酵への影響について:
砂糖とパン作り【砂糖の効果やさしく解説します】
2.初心者向けは、インスタントドライイースト
パン作り初心者におすすめなのは、インスタントドライイーストです。
インスタントドライイーストの一番のメリットは、安定した生地ができるのはもちろん、その使いがっての良さです。扱いが簡単なので、初心者でもきちんと発酵するパンが作れます。スーパーでも販売しているので、思い立ったらすぐ買いに行けるのも、おすすめポイントです。
■ インスタントドライイーストが、初心者向けの理由:
- 予備発酵がいらないので、直接、粉に投入できる。
- 生イーストに比べて日持ちする。(きちんと密閉し、冷蔵保管すれば~半年は使える)
- スーパーでも手に入る。
- 低糖生地と高糖生地用タイプがあるので、あらゆる生地作りが安定しやすい。
- 安い(スーパーで販売されているものだと、30g 300円~で購入可能)
3.インスタントドライイーストの使い方と注意点
■ 使い方
インスタントドライイーストは、このように、他の材料と同じように、そのまま振りかけて使えます。
家で少量で仕込む場合は、ミキシング開始前に、小麦粉、塩、砂糖などの粉系材料とかるく混ぜると、ダマにならずに捏ねられます。
■ 注意点:
- 投入するときに、冷水(15℃以下)に触れないようにする。
→酵母の活性が弱まるため - ミキシング直前までは、砂糖と塩に触れないようにする。
→これも酵母の活性を弱めてしまいます。 - 量りは、0.1g単位で計れるものを使う。
→イーストの添加量は少ないので、なるべく正確に測るため。
→おすすめは、タニタの0.1gで測れるデジタルキッチンスケールです。
下記に、初心者におすすめのインスタントドライイーストをまとめました。
わたし自身も職場や家で利用しており、発酵力・使い勝手・保管のしやすさで使用しやすい製品です:
【プロも使用している、世界最大のイーストメーカーの酵母】
- フランスの大手メーカー、ルサッフル社製で、安定品質と安定した発酵力はもちろん、使いがってがよく、くせがないので、幅広い生地へ利用ができます。
- 赤パッケージは、糖分12%までの低糖生地向けのパン酵母です。
- イースト臭がなく、無糖・低糖配合で発酵の香りが引き立ちます。
- 初心者はもちろんプロも利用しており、常備していると安心なイーストです。わたしも、職場でも家でもこのイーストを利用しています。DONQ等の大手ベーカリーでも使用しています。
- 赤サフには、ビタミンCが添加されているため、生地の安定性がアップします。冷蔵生地・冷凍生地など酵母へのダメージが大きくなる製法でも安定して安心です。
- ビタミンCが気になる方は、ブルーのパッケージ(ビタミンC無添加)を利用するとよいです。
- 他の材料に振りかけるだけ。
☞ 便利な小分けタイプ(3g×10袋)もあります
【高糖生地向け、菓子パン、甘パン好きの方用】
- 菓子パンなど糖分12%以上の生地向けの、耐糖性タイプのインスタントドライイーストです。
- 発酵が安定しづらい、糖分12%以上の生地でも発酵が安定します。
- 他の材料に振りかけるだけ。
☞ 便利な小分けタイプ(3g×10袋)もあります
【ビタミンC無添加】
- ビタミンC無添加のインスタントドライイーストです。
- ビタミンCは生地を安定させる効果があるので、無添加のを利用する場合は、工程中で生地の強さを調整する必要があります。なので、個人的には、赤サフのほうがおすすめです。
5.計量いらず、便利な小分けイースト
まずはお試ししたい方は、小分けタイプのものを利用するのがおすすめです。小分けなので、細かい計量をする必要もなく便利です。衛生面でも安心で、未開封であれば賞味期限は、製造日から24か月なので、あせって使いきる必要もありません。
【高糖生地向け、菓子パン、甘パン好きの方用】
☞cotta(製パン材料サイト)で見る
3gに小分けして包装されているので、細かい計量が不要です。3gでクリームパンが10個程度作れます。
【お手軽・小分けタイプ】
- 日清製粉のインスタントドライイーストです。
- スーパーの製菓コーナーや小麦粉コーナー等でよく販売されているので、思い立ったらすぐ買いにいけます。
- お値段もお手頃なので、手軽るにパンが作れます。わたしも、学生のときはよくこのドライイーストを使って、パンを焼いていました。パッケージに、パンのレシピや作り方が記載されているのもいいですよね:)
最後に…
本記事では、初心者向けにイーストの種類の解説と、使いやすくて安心、おすすめのイーストをご紹介しました。
はじめは、サフのインスタントドライイーストに限るというのが、個人的な意見です。なんども使っているので、安心して使えます。パッケージもかわいいですよね。
まずは、インスタントドライイーストから初めて、慣れてきたら生イーストや、レーズン種などの発酵種にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?
それでは、今日もパン作り楽しんでください:)