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オーバーナイト法とは【一晩冷蔵で寝かせるパン・朝食にぴったり・初心者向け】

パン作りに挑戦したいけど、大変そう、むずかしそう、時間がかかりそう!と思っている方におすすめ、生地を一晩寝かせるだけで簡単においしいパンが焼ける「オーバーナイト法」についてやさしく解説します。

前日に作った生地を寝ている間にじっくり発酵させ、翌朝に成形して焼くだけです。手軽にもっちりふわふわの焼きたてパンが作れます。休日のブランチにぜひお試しください!

本記事は、こんな方におすすめです:

  • 「パン作りは捏ねるのが大変そう」、
  • 「パンを作る時間がない」、
  • 「朝食に焼きたてパンを食べたい」と思っている方

オーバーナイト法の手順は、とてもシンプルです。前日に生地を仕込み、一晩冷蔵で発酵させてから焼きます。

パン屋ではメジャーな製法ですが、おうちのパン作りでもこの製法を取り入れることで、次のような効果が期待できます:

  1. 生地は寝ている間に発酵させるので、しっかり捏ねなくてもOK簡単
  2. 2日に工程を分けているので、仕事や家事の合間にさっと作れる

それでは、さっそく見ていきましょう!

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目次

オーバーナイト法とは

「オーバーナイト法」とはその名のとおり、生地を一晩、低温で寝かせて発酵させる製法です。「低温長時間発酵」とも言います。

この製法では、パン作りの工程を1日目と2日目に分けて行います。

通常6~8時間かかるパン作りの作業を、2日間に分けて行うので、まとまった時間がなくても手作りパンが焼けます:

■ 1日目(仕込み&分割)

1.生地を捏ねる
2.~60分ほど一発酵をとり、分割する
3.冷蔵庫で一晩発酵させる

 2日目(成形&焼成):

1.常温に戻す(~1時間)
2.成形して最終発酵(~2時間)
3.焼成

オーバーナイト法に向いているパン

基本的にどんな生地でもこの製法は応用できます。食パン、菓子生地、ブリオッシュなどなど。

ですが、ライ麦パンのようにライ麦の性質上、長時間発酵に向いていないパンのオーバーナイトは避けてください(詳細は第3-8章にて後述)。

もともとは、フランスで「おいしいバゲットを、労働時間8時間以内でおいしくやく」とい目的で編み出された製法なので、バゲットやリュスティックなど、ハード系を焼いてみるのがおすすめです。(オーバーナイト製法の背景について、詳しく知りたい方は、本記事最後をみてくださいね)

オーバーナイト法のおすすめポイント

オーバーバイト法は、次のようなメリットがたくさんある製法なので、特に初心者や時間がない方におすすめです:

  1. 水和が進んでしっとりする
  2. 粉の風味があじわえる
  3. しっかり捏ねなくてもOK
  4. すきま時間にさっと作れる
  5. 朝に焼きたてパンが食べられる


上記のそれぞれのメリットについて、詳しく解説していきます:

水和が進んでしっとりする

水和とは、小麦粉の芯まで水分が浸透している状態です。これにより、パンがしっとりし、長持ちする老化しにくいパンができます。

また小麦粉の水が浸透することで、パンの骨格となるグルテンもじっくり生成されます。グルテンのつながりが強化されることで、よりきめ細かでソフトなパンに仕上がります。朝食べたい食パンやロールパンを作るのにはもってこいの製法です。

粉の風味があじわえる

小麦粉には、自身のでんぷんを糖分に分解する酵素(アミラーゼ)がありますが、じっくり発酵させることで生地内の糖分が増え、粉の甘味や風味があじわえるパンになります。また、その他の酵素もじっくり効いてくるので、より芳醇なパンになります。

しっかり捏ねなくてもOK

前日に仕込んだ生地は、低温でじっくり発酵させることで生地に伸展性と弾力が自然にでます。なので、仕込みの段階で、しっかりグルテン膜がうすくなるまで、捏ねなくてもOKです。

翌朝には、なめらかな膜がしっかりできているので、楽しみにしながら寝てください:)

※補足:パン屋ではオーバーバイト法で作る場合でも、グルテン膜を作ってから低温発酵に入りますが、ご家庭で少量の生地を作る場合には、仕込みの段階でグルテン膜がうすくなくても問題ありません。

すきま時間にさっと作れる

通常6時間~かかるパン作りの工程を、2日間に分けて作るので、仕事帰りや家事の合間にさっと作ることができます。

おすすめなのは、お休みの前日(夜でもOK)に生地を仕込んで、翌朝焼いて朝食やブランチで焼きたてを食べることです。

朝に焼きたてパンが食べられる

生地を仕込んだ翌朝には、生地を成形して焼成できるので、HB(ホームベーカリー)がなくても、朝焼きたてパンを食べられます。

おまけに、自分好みで具材をトッピングしたり、好きなサイズや形に作れてアレンジは自由自在。休日の朝、家にいながら焼きたてパンを食べるのは最高の贅沢です!

ポイントと注意点

オーバーバイト法で作るさいは、下記のポイントを必ずおさえます。そうすることで、失敗せずによりおいしいパンが焼けます:

  1. イースト(パン酵母)の量はストレート法の1/3にする
  2. たんぱく質量が少なめの小麦粉を使う
  3. 生地は発酵から12~48時間で焼成する
  4. 冷蔵の温度は5~9℃にする
  5. 翌日は生地を必ず「復温」させる
  6. ライ麦パンはオーバーナイト法に向いていない
  7. 生地はしっかり密閉させてから冷蔵する


それぞれのポイントと注意点について詳しく見ていきましょう:

イーストの量はストレート法の1/3にする

発酵時間がストレート法※の何倍も長くなるので、ストレート法のレシピをオーバーナイト法で作る場合は、レシピのイースト量を1/3程度にします。他の材料の分量はそのままでOKです。

※ストレート法: 1日で仕込みから焼成まで完結させる基本的な製法

たんぱく質量の少なめの小麦粉を使う

オーバーナイト法では、一晩かけて生地内のグルテンがしっかり生成されます。

そのため、たんぱく質量が多い強力粉だけで作ると、ひきが強くなりすぎてしまいます。なので、あえてたんぱく質量が多い小麦粉を選んで利用する必要はありません。

おすすめなのは、準強力粉を使うか、強力粉を使う場合は、小麦粉の~40%を薄力粉に置き換えて作ることです。これにより、ひきをやわらげ、ソフトに仕上げることができます。

もちろん、ひきが強く噛み応えのあるパンが好きな方は、強力粉一本でもOKです。参考までにおすすめの粉を下記にてご紹介します:

  • 日清製粉「カメリヤ」(強力粉)

    初心者でも使いやすい定番の小麦粉。食パン、菓子パン、総菜パンと幅広く利用可能です。
    ※「スーパーカメリヤ」という小麦粉もあるので、ご購入の際は商品名の確認をお願いします。「スーパーカメリヤ」のほうが灰分が少ないため、より白いパンが焼けます。
  • 日清製粉「フラワー」(薄力粉)

    こちらも、パン作りはもちろん、普段の料理でも使える便利な小麦粉。準強力粉がない方は、強力粉に混ぜて使うと、生地のひきを抑えることができます。
  • 日清製粉「リスドオル」(準強力粉)

    ハード系のパンや、フォカッチャを作るなら特におすすめの粉です。くせがないので、初心者でも安心して定番のパンを作れます。

砂糖は+3%増やす

発酵時間が長くなる分、パン酵母はより多くと糖分を消費します。糖分が消費されすぎた生地は、焼き色が付きにくくなるなどの影響がでるので、ストレート法のレシピをオーバーナイトに変換する場合は、ベーカーズパーセントで砂糖を3%増やして仕込みます。

※目安としては、食パンでトータル10%ほどです。

生地は発酵から12~48時間で焼成する

生地は最低でも8時間は発酵させます。また、パン酵母の活性具合や生地の衛生面を考慮し、48時間以内には焼成しましょう。

冷蔵の温度は5~9℃にする

4℃で、パン酵母は休眠モードに入り、発酵活動がストップします。また、10℃以上だと発酵しすぎてしまいます。

ご家庭で作る場合は、野菜室で発酵させるのがおすすめです。また、生地量が多い場合は、小分けにして冷蔵すると、生地の温度が早く下がるので、発酵スピードをゆるやかにできます。

また、夏場などは発酵が進みやすい季節は、5℃で冷蔵するのが理想です。

翌日は生地を必ず「復温」させる

「復温(ふくおん)」とは、冷蔵や冷蔵させた生地を常温にもどす作業のことです。

必ず、室温でゆるやかに温度をもどしましょう。前日に仕込んだ生地を、小分けにして冷蔵した場合は、(時期にもよりますが)40分くらいで、比較的早く温度がもどります。

★復温がきちんとできたかの見極めですが、生地の温度が常温~「やや冷たいかな」くらいになったらOKです。温度計がある方は、中心温度が15℃になっていればOKです。

ちなみに、常温で復温をさせないと、次のような失敗につながります:

  1. 生地表面と内部の発酵がちぐはぐになる

    温かい温度帯で、急激に生地温を上げると、生地表面の温度のみが上がります。すると、生地表面にいるパン酵母だけが活性化され、発酵活動を開始します。

    一方、生地内部のパン酵母は、まだ休眠状態にあり、活性が弱いままなので、生地全体の発酵のバランスが崩れます。焼き上がりのパン表面に、火ぶくれができたり、焼きムラの原因になるので、要注意です。

  2. 作業性がわるくきれいに成形できない

    生地表面は温度の上昇で結露し、とても作業性がわるくなります。べたべたして成形がしづらく、また、生地内部との温度差で生地が素直に伸びません。(生地中心が冷たいままだと、伸びません)

  3. 火ぶくれ、フィッシュアイになる

    火ぶくれ・フィッシュアイとは、写真のように、パンの表面のぶつぶつのことを言います。冷蔵・冷凍させた生地によくみられる現象です。



    原因はいくつかありますが、復温をきちんと行わない場合に起きること多いです。

    前述の①で記載の通り、生地表面のパン酵母の発酵活動がより促進され、生地表面で大量の炭酸ガスが発生します。

    このガスが、生地表面にどんどんたまり、ガスを保持するグルテン膜が保持しきれずに裂けて、このような気泡のぶつぶつができると考えられます。

    風船(グルテン)に空気(炭酸ガス)を入れすぎると、風船が破裂してしまうようなイメージです。

これでは、せっかく一晩かけて作った生地が台無しになるので、きちんと復温をさせましょう。

生地はしっかり密閉させてから冷蔵する

生地はタッパーなどの密閉容器に入れるか、しっかりラップをしてから冷蔵しましょう。

密閉しないと、冷蔵庫の冷気が生地にあたってしまい、乾燥してしまいます。

生地の表が硬く、カピカピになり、その部分は「異物」になってしまいます。また、雑菌や臭いもついてしまうので、しっかり密閉しましょう。

生地だけど、「異物混入」

上記で少し触れましたが、乾燥した生地の表面は硬くひび割れた状態になります。この状態のまま、分割、丸め、成形へと進んでしまうと、乾燥した硬い生地が生地内部にはいってしまいます。

焼成後も、このカピカピした生地はパンの中にのこってしまいます。もともとは生地ですが、こうなってしまうと「異物混入」になります。いくら生地とはいえ、パンを食べた人にとっては「異物」なので、気を付けましょう!

ライ麦パンはオーバーナイト法に向いていない

ライ麦の配合量が多いパンのオーバーナイトは、おすすめできません。経験則になってしまいますが、ライ麦の配合量がベーカーズパーセントで10%までなら一晩寝かせてもおいしくいただけます。

長時間発酵の1つのメリットは、グルテンのつながりが強化され、もっちり食感ができることです。しかし、ライ麦はそもそも、グルテンを含んでいないので、長時間発酵させても、この効果は得られません。

またライ麦は、酸味の原因となる乳酸菌と酢酸菌が含まれています。ライ麦パンを長時間発酵させてしまうと、かなりすっぱく雑味のあるパンに仕上がってしまいます

ライ麦パンは、スピード勝負

ライ麦パンの工程ってスピード感がありますよね。仕込み、分割、成型の間の発酵時間は20~30分ほど。発酵というよりは、休憩時間をはさんで、工程をどんどん進めていきます。

これは、ライ麦粉特有の酸味(乳酸菌と酢酸菌由来)が、過度にでてしまうのを防ぐためです。また、ライ麦にはグルテンがないので生地がダレやすいので、どんどん工程を進めていきます。

さいごに…オーバーナイト法の雑学と背景

本記事では、初心者でも、まとまった時間がなくても、簡単に手作りパンが焼ける、オーバーバイト法についてご紹介しました。ちなみ、オーバーナイト法という製法は、パンの国はフランスで誕生しました:

オーバーバイト法は、昔フランスで労働法が改正され、パン屋が8時間しか働けなくなった時代に編み出された製法です。

8時間労働になった直後は、パン屋はバゲットの発酵時間を、従来よりもかなり短くして作っていました。しかし、これがどうもおいしくない。長時間発酵させたいが、8時間ではとても時間が足りない。今まで長時間かけて発酵させ、芳醇な香りを出していたバゲットを、短い労働時間内でおいしく作るにはどうしたらよいのか?

そこで、前日に生地を仕込み、一晩発酵させ、朝一で朝食に間に合うよう焼くことを、思いついたのです。オーバーナイト法は、おいしいバゲットを焼きたいという、当時のパン職人たちの工夫によって編み出された製法なのです。

限られた時間の中でも、おいしいパンを焼けるオーバーバイト法。ぜひお試しくださいね!それでは、今日もパン作り楽しんでください:)<

ビギナー向けレシピはこちらから:

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