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バゲットとバケット、パンとバケツ



日常生活のなかで言い間違いや勘違いがありますが、パンのよくある言い間違いについて、ひとつ取り上げてみました。今回はバゲット(Baguette)に関する言い間違いや勘違いについて、フランス独自のパンの定義(法律)もまじえておはなしします。


 

 

Baguette? Bucket?



Baguetteは、ご存じの通り、皮のバリバリが特徴のフランスのパンです。カタカナ表記にすると、「バゲット」ですが、たまに町のパン屋さんで、「バット」と商品カードに書かれているのを目にします。

しかし、これではまったく意味がちがってしまいます。なぜなら、「バット」は英語でBucket、つまり「バケツ」という意味だからです。



お店でこのような表記をみかけると、とても気になってしまいます。が、お店のひとに言うほどのことでもないし…あとは、店員さんの「バケットただいま焼きたてです!」という焼きたてコールも気になります。

「バケツが焼きあがりました!」

このように、話し言葉でも「バケット」というひとが多いですよね。わたしが働いていたパン屋でもいました。パン屋でも言い間違えるのです。英語にすれば一目瞭然ですが、カタカナだと何となくスルーしてしまうようです。

日本語でも外国語でもない微妙なポジショニングを多々とっているカタカナ語ゆえの言い間違いなのでしょうね。

■ フランスパン・イギリスパン・ドイツパン
ちなみに、「バゲット」を「フランスパン」などと呼ぶこともありますが、これも日本のカタカナ語(和製英語)です。おなじく、「イギリスパン」や「ドイツパン」などもカタカナ語ですね。分かりやすくて便利ですが、英語でそのまま訳しても通じないので、”White loaf・White bread”や”Rye bread”といったほうがよいです。

 

ソフトフランスは日本のパン



ところで、「ソフトフランス」というパンもよく見かけます。

バゲットの特徴であるバリバリの皮をソフトにした、パンですね。やわらかいパンが好きな日本人向けのパンです。

食感や材料が食パンや菓子パンよりですが、形がバゲットのように長細くクープ(バゲットにある切り込み)がはいっているので、「ソフトフランス」という名称になったのでしょう。練乳クリームが入ったものとかバリエーション豊富で好きです。

きちんと「バゲット」と「ソフトフランス」と区別している分にはよいのですが、パン屋によっては明らかにバターや砂糖がはいったパンを「バゲット」や「フランスパン」として販売しているところもあります。これは個人的にはアウトだと思います。

「バゲット」という言葉をいれたいのであれば、「バゲット風」と表記すればセーフだと思います。「みりん風調味料」とか「〇〇風味」的なニュアンスで。そうすればお客さんの誤解も回避できるかと。

■ 材料について

ちなみに、バゲットを含めたいわゆる「ハード系」のパンの材料は、次のとおりとてもシンプルです:
・小麦粉(ライ麦粉)
・水
・塩
パン酵母(or発酵種)

「ハード系」のパンには、バターや砂糖、牛乳といった材料は入っていません。

これはパン屋や、パン屋をめざす専門学生にとっては常識です。知らないと先生や先輩に白い目でみられます。そんなシーンを2回目撃しました。

安易に「フランスパンって砂糖はいってないんですねー」と発言してお説教をくらった実習生がいました。彼の場合、パン屋で数か月間のアルバイト経験があったうえでの発言なので、シェフのあたりがきつめでした。

■ フランスとパン

もうひとつちなむと、フランスでは、自国にパンに関する法規があり、パンを次のように定義しています。

パンという名称は、小麦粉、水、塩、イーストやルヴァンで仕込んだ生地を焼いたものにのみ使用できる


※参考:上記定義はCNERNA(栄養と食料に関する共同研究センター)が1977年に発表した”Le recueil des usages des pains en France”(フランスのパンの慣習集)と、のちに”Cade d’ usage”(慣習法規)により補填されている。
※上記日本語訳は、二瓶氏著「Bon Painへの道~ドンク 仁瓶利夫と考える」より引用


きちんとパンの定義がされているのはすごいですよね。あくまでもフランスでの定義なので、日本の店では上の要件を満たさなくてもパンのネーミングは自由にしても問題はありません。

でも思うのが、よく海外に行くと「なんちゃって日本食」みかけますよね?鉄火巻きにフルーツやらスパイスやらが入ったものとか。

おもしろいなぁと思うこともあれば、あまりに刺激強めだと「日本食」として売ってほしくないなぁと思います。もちろん中には、日本食をアレンジしたおいしいものもあれば、微妙なものもあります。

フランスの人が日本のパンを見たら少なからずこのような気持ちになるのではないでしょうか…

と思うと、せめてパン屋はある程度きちんと勉強してほかの国のパン食文化をRespectしなければいけないですよね。

日本にもあんぱんやメロンパンなど独自のおいしいパンがあり、ソフトフランスのように「風」なパンもあります。「風」なパンは「風」なパンとして楽しめばよいことで、それを本場の名称として販売するのは控えたいものです。

 昔ながらのパン

話が前後しますが、材料について補足をすると昔ながらのパンは、穀物などからおこした発酵種を利用して発酵をさせていました。しかし、イースト(パン酵母)の培養技術が発展してからは、品質が安定しやすい生イースト、ドライイースト、インスタントドライイーストなどを用いてパン生地を発酵させることが多くなりました。

ライ麦パンやパン・オ・ルヴァンなどで用いる発酵種についても、むずかしい種起こしまで行った製品が多く流通しています。いずれにしても、小麦粉、水、塩、パン酵母・ルヴァンのシンプルな配合ということには変わりありません。

■ 最後に

バゲットとバケツ問題から少しそれましたが、きょうはこんな感じで終わりたいとおもいます。それでは今日もパン作り楽しんでください:)

 

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