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パンが膨らまない理由は?【チェックリスト付き、原因の見極め方&対処法】

レシピ通りに作ったはずなのに、なぜがパンが膨らまなかった。そう悩んでいるあなたへ。

「パンが膨らまない=発酵が足りない=イーストに原因がある!」と思いがちですが、膨らまない原因はほかにもあるの要注意です。

本記事では、膨らまない原因の見極め方と、それに対応した正しい対処法をご紹介します。

これでもう失敗せずに、ふわふわパンが焼けるようになります。

★本記事はこんなお悩みを解決します

  • レシピ通りに作っているのに、焼き上がりがぺたんこ

  • イースト量を増やしたり、発酵時間を長くしたり色々試したけど、膨らまない

  • 原因が何なのか、わからない


それでは、さっそく見ていきましょう。

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目次

はじめに:パンが膨らむ仕組みをサクッと解説

そもそも、パンがなぜ膨らむのか?について、サクッと解説します。

仕組みがわかるとこで、膨らまない原因が見えてきます。

パンは、イースト(パン酵母)とグルテンの共同作業によって膨らみます。イメージ的には、グルテンが風船、そしてイーストが風船を膨らませるガスという感じです。



上記のように、グルテンとイーストが適切に活動するためには、次のステップを意識した生地作りが重要です

  1. 小麦粉をしっかり捏ね、パンの形を支えるグルテンを生成する

  2. パン酵母(イースト)発酵活動を促し、炭酸ガスを生成させる

    そうすることで、

    グルテンの中にイーストの炭酸ガスが保持され、生地が膨らみます

膨らまない原因は、主に3つ

前述のとおり、パン生地は、風船であるグルテンと、風船を膨らませるガスを生成するイーストの発酵活動が正常に働くことで膨らみます。

どちらかが欠けたら膨らみません。

そのため、パン生地が膨らまない理由は次の3つが考えられます

  1. イーストの発酵不足=風船を膨らませるガスが不十分  


  2. グルテンの生成不足=風船に穴が開いている状態


  3. そもそも、基本的な配合や発酵温度帯が適正ではない

    これについては、次章でご紹介のチェックリストで確認できます。


原因が①か②の場合は、パンの工程を見直す必要があり、少し深堀りしないといけないので記事の後半で解説します。

まずは、今使っているレシピの配合や工程が適切なのか(原因③)を下記チェックリストで確認していきましょう。

簡単チェックリストで原因を確認

そもそもレシピに不備があれば、パンはおいしく焼けません。

下記チェックリストは、おいしいパンが焼ける基本的な条件をリストにしたものです。

なので、すべての項目にチェックが入れば、レシピには問題ないと言えるので、作り方を見直していきましょう

おいしいパンを焼くための、簡単チェックリスト

チェックが入らなかった項目が、パンがきれいに焼けない1つの原因と考えられるので、その項目の解説と対処法を参照してください

① 材料の分量

□ 砂糖の分量は対粉7~14%ですか?(※粉100gに対して7~14g)
(ハード系の場合はモルトエキスを入れてますか?)
□ 塩の分量は対粉0.8~2%ですか?
□ バター等の油脂の分量は対粉5~20%ですか?
□ インスタントドライイーストの分量は0.4~2%(※パン生地による)ですか?
  ☞チェックが入らなかった場合はこちらから対処法を参照してください

② インスタントドライイーストについて

□ 0.1g単位で計れるデジタルスケールで計量していますか?
□ イーストは消費期限内ですか?
□ 菓子パン生地の場合、耐糖タイプのイーストを使用していますか?
  ☞チェックが入らなかった場合はこちらから対処法を参照してください

③ 温度について

□ 1次・2次発酵の温度帯は28~32℃ですか?
□ オーブンは焼き上げ温度よりも10℃高い温度で予熱していますか?
□ 食パンなど型焼きのパンを焼くとき、天板ごと予熱してますか?
□ 焼成中は焼き色確認のためにオーブンを開けるのは1~2回
  ☞チェックが入らなかった場合はこちらから対処法を参照してください
 

対処法① 材料の分量を確認する

パンの材料の分量は、パン生地ごとで違ってくるので、下記の表のを目安に、自分のレシピの配合が適正か確認してみてください。

※レシピ本などのレシピは大丈夫だと思いますが、ネットのレシピの場合、配合が微妙なレシピもたまに見受けられます

 ■ シンプルなリーンなパン:

材料:食パンテーブルロール・バターロールバゲット
インスタント
ドライイースト
0.5 ~0.7%0.7 ~1.80.35 ~0.4
小麦粉の種類強力粉強力粉/準強力粉と併用準強力粉
1.8~2%1.8~2%1.8~2%
砂糖5%10 ~15%
油脂5%15%
その他副材料卵・牛乳などモルト

■ おやつ系のリッチな配合のパン

スクロールできます
材料菓子パンブリオッシュクロワッサン
インスタント
ドライイースト
1~2%

※砂糖の添加量と比例して増やす
※耐糖タイプのイーストの使用がすすめ
1 ~1.5% 

※耐糖タイプのイーストの使用がすすめ
1.3 ~1.5%
小麦粉の種類強力粉強力粉/準強力粉と併用準強力粉
0.8~1%0.8~1%2%
砂糖15 ~20 %
多いものだと~30%
10 %5 ~10%
油脂15 ~20 %50 ~60%【生地添加】
5%
【折込み用】
対生地25%~(お好み)
その他副材料卵・牛乳など卵・牛乳など牛乳
備考 ※一般的にオーバーナイト※生地はオーバーナイト、翌日にバターの折り込み

■ 参考:菓子生地作りに向いている、おすすめの耐糖タイプのイースト

対処法② インスタントドライイーストについて

0.1g単位で計れるデジタルスケールで計量していますか?

イーストの量はほかの材料と比べて量が少ないため、0.1g単位で正確に計量する必要があります

特にご家庭で少量の生地を仕込む場合は、イーストの添加量が0.8gとかになることもあります。

もし、0.5g量りを使っているのであれば、ぜひ0.1g量りにチェンジしください。

※参考までに、パン屋さんでも使っている3,000円前後のおすすめのデジタルスケール情報です。

イーストは消費期限内ですか?

イーストは消費期限が過ぎると、発酵能力がどんどん下がります

いま使っているイーストが古いもの(開封後6カ月以上)であれば、臭いを確認し、異臭がしたらもったいないけど、廃棄してください。

古いイーストはパンがイースト臭くなる原因にもなります。

パンのイースト臭の原因は、死滅酵母の多さと比例します。そして、死滅酵母は、インスタントドライイーストで最も多く含まれています(最も少ないのが、生イースト)。

古くなったインスタントドライイーストの中には、死滅酵母がさらに増えていると考えられるので、焼き上がりのパンのイースト臭を感じやすくなります。

なので、インスタントドライイースト開封後は密封して冷蔵庫や冷凍庫に入れて、6カ月~1年以内に使いきってください。

使いきる自信がない方は、下記のような小分けパックを利用すると便利です。

菓子パンの場合、耐糖タイプのイーストを使用していますか?

インスタントドライイーストの使用量と種類は、生地の種類によって変わります。

菓子生地など砂糖の配合量が、対粉15%の場合は、浸透圧の影響でイーストの動きが鈍くなってしまうので、「耐糖性」あるいは「多糖生地用」のインスタントドライイーストを使うほうが安心です。(浸透圧の影響についてはこちらの記事でご紹介したます)

また、菓子生地は油脂や乳製品、卵などの副材料が多いため、イーストの発酵が阻害されてしまいます。そのため、バゲットなどのリーンな配合のパンに比べて、イーストの添加量が多くなります。

耐糖タイプではなく、通常のインスタントドライイーストを使用する場合は、量を少し増やしてみるか、加糖中種法という菓子パン生地作りには欠かせない製法を活用することがおすすめです

加糖中種法のやり方は下記記事にてご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

対処法③ 温度について

1次・2次発酵の温度帯は28~32℃ですか?

生地を発酵させる温度帯については、食パンや菓子パンなどの場合は28~32℃が適正範囲です。

長時間発酵させるバゲットなどの場合は24℃(常温)~で発酵させる場合もあります。

パン酵母の発酵が活発になる温度帯は、35~38℃ですが、生地の雑菌の繁殖、作業性や風味などを考慮すると、24~32℃が適正な温度帯となります。

オーブンは+10℃で予熱されていますか?

パンを焼く前に、オーブンを予熱すると思うのですが、この時にオーブンの庫内温度をレシピ記載の焼成温度まで上げることが重要です。

また、予熱をしていても、オーブンの扉を開けると10~20℃庫内温度が下がると言われています

そのため、予熱温度は、焼成温度よりも10℃高く設定すると、適正な温度でパンを焼くことができます

パン生地は最初の5~10分で一気に膨らみます(オーブンスプリングと言います)。予熱が十分にされていないと、最初の膨らみのスタートダッシュがきれないので、生地が膨らみません。

型焼きのパンを焼くとき、天板ごと予熱してますか?

型焼きのパンの場合、生地に熱が伝わるまで時間がかかります。

パン屋では食パンなどの型焼きパンの場合は、直火といい、天板は使わずに、熱いオーブンの中にそのまま型を入れて焼きます。そうすることで、下から熱が一気に伝わり、生地が上に膨らみやすくなるのです。

同様に、ブリオッシュ・ア・テッドなど小さい型で焼きパンも、予め予熱した天板のうえにのせて焼くことで、窯伸びしやすくしています。

おうちで型焼きのパンを焼く場合は、天板ごと予熱することで、下からの熱をパン生地に伝わりやすくすることができます

また、生地の底や横にも焼き色がつきやすくなるので、焼成後のパンが凹んだりしぼんでしまうケービングや腰折れを防ぐことができます。

焼成中はオーブンを開けるのは1~2回にする

生地を焼いている間は、ついつい焼き色が気になって何度かオーブンを開けてしまいますが、開ける度に、都内温度が10~20℃下がると言われています

そのため、なるべくこまめに開けるのはやめましょう。がまんしくださいね。

パン生地は最初の5~10分で一気に膨らみます。そして、焼き色がついていない状態(パンの骨格が弱い状態)でオーブンを開けて庫内温度が一気に下がると、冷気でパンがしぼんでしまいますので、注意しましょう

適正レシピで作っても膨らまない原因は?【焼き色に注目】

原因の見極めポイントはパンの焼き色

上記の対策をして、チェックリストの項目をすべて満たしているのにパンが膨らまない場合は、工程を見直す必要があります。

前述の通り、パンが膨らまない主な原因は

  1. ① イーストの発酵不足=風船を膨らませるガスが不十分
  2. ② グルテンの生成不足=風船に穴が開いている
  3. ③ そもそも、基本的な配合や発酵温度帯が適正ではない(チェックリスト参照)

です。本章では、原因①と②について解説していきます。

原因によって対処法が異なるので、きちんと見極める必要があります。

そして、注目すべきポイントは、パンの焼き色です。

パンの焼き色はどうでしょうか?
一般的な茶色い焼き色ですが?
それとも、濃いですか?

焼き色が濃い場合は、イーストの発酵不足、通常の場合は、グルテン結合が不十分ということが言えます

焼き色が濃くてパンが膨らまない:イーストの発酵不足が原因

もし、焼いたパンの色が、通常よりも濃かった場合は、イーストの発酵不足が原因と考えられます。

風船(グルテン結合)はしっかりしているけど、風船を膨らませるガスが不十分という状態です。

ガスがないのでは、膨らみようがありません。そのため、工程中にイースト発酵を促すことでしっかり膨らむパンを焼くことができます。

焼き色が濃くなるのは、イーストが糖分を消費していないから

イーストが発酵活動をするためには、生地中の糖分を消費する必要があります。

生地中の糖分を、イースト内の酵素が分解することで、炭酸ガスとアルコールが生成されるのです。

そして、パンに焼き色が付くのは、イーストが発酵活動で使わなかった余った糖分(残糖)が、熱やたんぱく質と反応することで、生地が茶色くなるからです(この反応をメイラード反応カラメル化反応といいます)

よって、パンの焼き色が濃くて、パンが膨れていない場合は、イーストが十分に発酵活動をしていない(糖分を炭酸ガスに分解していない)ということです。そのため、ガス不足でパンが膨らまないのです。      

それでは、次は対処法について見ていきましょう。

イーストの発酵不足への対処法

イースト(パン酵母)は、糖分をエサに発酵活動をする微生物です。そのため、パン生地の環境を、イーストが発酵活動しやすいように整えることが大事です。

ここで重要なのが、発酵のスタートダッシュを後押しするため、
①最初の捏ね上げ温度(捏ねたての生地の温度)を上げること。
そして、
発酵時間を生地の状態に合わせて長くすることです。

それでは、対処法①と②について解説していきます。

対処法① 捏ね上げ温度を上げる

捏ね上げ温度とは、ミキシング直後の生地の温度のことです。

その後の発酵時間や発酵の進み具合に影響をあたえる重要な温度となります。

レシピ記載の温度で生地を捏ねあげることが、安定したパン作りのためにとても重要です。

適正な捏ね上げ温度とは?

レシピに捏ね上げ温度が記載されていない場合は、下記の目安温度を目指してください。

  1. 食パンや菓子パンなどの場合は28~32℃、
  2. 長時間発酵させるバゲットなどの場合は24℃(常温)~

※参考 温度帯とパン酵母の活性具合

捏ね上げ温度が低くなると生地はどうなるのか?

捏ね上げ温度が低いと、発酵の初動が遅れるので、レシピ通りの発酵時間では発酵が不十分になってしまいます。

特に冬は、室内や材料の温度が低くなるので、下記の工夫をしてみましょう。

  • 吸水(仕込み水)の温度を上げる

  • キッチンエイドミキサーやニーダーを使用の場合は、カバーをかけて生地を捏ねると、熱がミキサーボール内にこもるので、捏ね上げ温度が高くなります

生地温度と発酵時間は、記録するとよい

生地の状態は季節によって大きく変わるので、次の項目について記録をつけておくことをおすすめします。

  • 仕込み水の温度
  • 捏ね上げ温度
  • 発酵にかかった時間

上記を記録することで、生地の仕込みが安定しやすくなります。

温度については、0.1℃単位で正確に測れるデジタル温度計できちんと計測することが重要です。参考までに、お手頃で使いやすい温度計情報を記載します。(値段は2,500円程度)

対処法② 1次発酵の時間を長くする

発酵温度が適正なのに生地が膨らまない場合は、発酵時間が短いことが挙げられます。

例えば、

前述のように、そもそも捏ね上げ温度が低ければ、レシピ通りの発酵時間で作っても発酵が不十分になります。そのため、時間で発酵を判断するよりも、生地の状態で発酵終了を判断しましょう。これが重要です!

では、どうやって生地の状態を見分ければよいのでしょうか?ポイントは2つあります。

■ 1次発酵終了の見極めポイント

  1. フィンガーテスト

    発酵した生地に指を入れて穴を作り、生地の戻り具合(弾力)を観察します。指を抜いた後、生地がほとんど戻ってこなかったら、適正な発酵と言えます。



  2. 膨張率(ふくらみ具合)

    生地が発酵前に比べて2倍程度の大きさになれば大丈夫です。

焼き色が通常の場合:グルテン結合不十分が膨らまない原因

もし、焼いたパンの色がいつも通りの焼き色の場合、膨らまない原因は、パンの骨格であるグルテン結合が不十分だと言えます。風船に穴が開いている状態です。

どういうことかと言うと、風船に穴が開いているため、イーストが発酵活動で生成したガスをパン生地内に保持して膨らむことができないということです。

なぜ焼き色はいつも通りだと、グルテン結合が原因と言えるのか

前述の通り、イーストは生地中の糖分を分解することで(風船を膨らませる)炭酸ガスとアルコールを生成します。そして、イーストが発酵活動で使用しなかった糖分が、熱やたんぱく質と反応することで、パンの焼き色が付きます。

そのため、パンの焼き色がいつも通りの場合、イーストの発酵活動は正常だと言えますとなると問題は、発酵活動ではなく、発酵で生成されたガスを保持する風船(グルテン)にあると言えるのです。

では、具体的にどのような対処法があるのか、見ていきましょう。

グルテン結合が不十分への対処法

生地が膨らまない原因が、グルテン結合の不足な場合、対処法としては次の3つが挙げられます。

  1. ミキシングをしっかりする
  2. パンチと成形で、生地に力をつける
  3. 2次(最終)発酵後は、生地を触りすぎない

次章でそれぞれの対処法の詳細を解説していきます。

【補足情報】そもそも、グルテンって何?

グルテンは、小麦粉内のたんぱく質と水が捏ねられることでできる、伸展性と弾力を兼ね備えたたんぱく質です。網目構造をしていて、パンの骨格となる大事な構造です。

そして、グルテンは生地に物理的な力を加えることで強化できます

パンの工程は、生地に力を加える「加工硬化」の工程と、力を加えた生地をゆるませる「構造緩和」の工程が交互に繰り返されることで、弾力と伸展性があり、よく窯伸びする生地ができます。

グルテンは、生地に力が加わる加工硬化の工程(下図ピンクの工程)で強化することができます。

特に、最初のミキシングは、生地のつながりを左右する工程なので、適切に捏ねることが重要です

また、パンチや分割・丸めも、生地に再度力を付ける重要な工程です。


グルテンについての詳細は下記記事にまとめているので、よかったら参考にしてください。

対処法① ミキシングをしっかりする

グルテンは、小麦粉のたんぱく質に、水と力が加わることで生成されます。

グルテンは、網目構造をもっており、その網目の中(風船)にガスを保持することで、生地が膨らみます。

そして、最初のミキシングでしっかりグルテンを作ってあげることで、生地の発酵が進むにつれ、生地がきちんと膨らんでいきます

では、具体的にどの程度生地を捏ねればよいのでしょうか?見極めポイントは3つあります。

  1. 生地表面のツヤとなめらかさ
  2. 生地の弾力
  3. グルテン膜

それぞれのポイントについて見ていきましょう。

①生地表面のツヤとなめらかさ

捏ねあがり終了のサインとしてわかりやすいのが、生地表面のツヤです。表面がつやつやし、なめらかであれば、生地が適切に捏ねられたと言えます。



②生地の弾力

次に弾力です。ご家庭で少量の生地を仕込んでいる場合はわかりづらいですが、生地を手のひらで持って左右に揺らした時に、生地がしっかりつながってるかを確認します。生地が切れてしまう場合は、ミキシングが足りません。



③グルテン膜

最後に、グルテン膜を確認します。膜をチェックするさいは、下図のように生地を指で真ん中から徐々にひっぱって、膜の薄さ、膜の均等さ、膜の裂け方を見ます。

★少量の生地ではわからないので、必ずある程度まとまった生地でグルテン膜をチェックすること。

★食パン・菓子生地の場合は、膜が、指紋が透けるくらいうすーく均等に伸び、裂けめもスーッとなくなるのが理想です(ただし手ごねの場合はここまで薄くするのが難しいです)

★ハード系の場合は、生地がつややかで、膜も薄く伸びるけど、やや不均等になります。

対処法② パンチと成形で生地に力をつける

ミキシング終了後は1次発酵時間を経て、パンチ、分割、成型で生地に力(弾力と伸展性)をつけていきます。

1次発酵後の生地は、グルテンの網目(風船)がパンパンに膨らんだ状態です。

パンチや分割で、一度風船のガスを抜き、生地をたたんだり丸めたりすることで、生地に力が加わる、グルテンの網目が一層複雑にからまり、グルテンの結合が強化されます。

■ パンチについて

パンチは発酵時間の間に生地のガスを抜き、生地をたたんで力を加える工程です。

パンチの手順は次のとおりです。最後にしっかり生地を張らせることが重要です。パンチ後生地の表面が張り、弾力を感じられたらOKです。

ちなみに、この弾力の具合は生地によって要調整となります。例えば食パン生地のほうが、バゲット生地よりもパンチを強めに入れます。

 

パンチの効果についての詳細は、下記記事を参照してください。


■ 成形について

成形は、生地に力を加えられる最後の工程です。そのため、生地が2次発酵や焼成の窯伸びの圧力に耐えられるくらい、しっかりと張らせて成形することが重要です。

イメージとしては、成形後の生地には皮一枚ピンと張っていて、弾力がある感じです。また、成形時に必要以上に生地を触りすぎるのも、生地を弱めてしまう原因になるので、手数はなるべく少なくします。

対処法③ 最終発酵後は、生地を触りすぎない

もうひとつ、特に初心者の方がやってしまいがちなのが、焼成前の生地を必要以上に触ってしまうことです。

2次発酵が終わり、「もう、発酵は十分かな?まだかな?」とついつい強めに、あるいは何度も生地を触ってしまいます。しかし、ここで生地を触りすぎてしまうと、せっかく膨らんだ生地がしぼんでしまいます

ここでしぼんでしまったら、窯伸びもしずらく、ボリュームに欠けた仕上がりになります。

では、どのように最終発酵を確認すればよいのでしょうか?

■ 最終発酵(ホイロ)終了のポイント

  1. 生地の大きさが2倍前後になっていればOK(※ただし生地による)

  2. 生地表面を優しくさわって、うっすら指の跡がのこればOK

  3. 生地を天板ごとゆらし、プルンとゆれればOK

まとめ

  1. パンが膨らむ仕組みは、小麦粉を捏ねることで、パンの骨格となるグルテンが生成され、その骨格(風船)の中にパン酵母(イースト)の発酵活動により生成された炭酸ガスが保持されるからである。

  2. パンが膨らまない原因としては、①イーストの発酵不足=風船を膨らませるガスが不十分、②グルテンの生成不足=風船に穴が開いている、③そもそも、基本的な配合や発酵温度帯が適正ではない、という理由が挙げられる。

  3. 膨らまない原因特定にためにはまず、パン作りの基本:材料の適正な配合量と正確な計量、生地作りの温度帯が適正かをチェックリストで確認する。

  4. チェックリストの項目をすべてクリアしてもなお膨らまない場合は、イーストの発酵不足か、グルテンの結合不足が考えられる。どちらが原因かは、焼き色を見て判断する。イーストの発酵不足の場合は、焼き色が濃くなる。

  5. 重要なのは、膨らまない=発酵不足が問題と決めつけてしまうこと。生地の状態(膨らまない原因)を見て、適切な対処法をとってくださいね。

最後に…

本記事では、パンが膨らまない原因、原因の見極め方、そして原因別の対処法について解説しました。

パンが膨らまないとついつい、「発酵が原因だ!イーストがんばれ!」と思いがちですが、

そもそもレシピの材料と分量は適正なのか?
0.1g単位で計量しているか?
グルテン(風船)とイースト(ガス)のチームワークは取れているのか?

など様々な原因が考えられます。そして、意外とグルテンの生成不足が原因ということが多いのです。特にご家庭で生地を作る場合は疲れてしまって、最初の捏ねが不十分になりがちですよね…とにかく、生地をよく観察して、適した解決策を実践してみるのが一番!それでは、今日もパン作り楽しんでください:)

P.S. どうしても家で膜薄まで捏ねられない場合は、下記のオートリーズやオーバーナイト法の記事も参考までにどうぞ。手捏ねが楽になるテクニックとして応用できます。

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