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オートリーズとは?ハード系好き・手ごね派向け、生地を休ませてから捏ねる製法

オートリーズとは、材料のうち粉と水を最初に捏ねて20分程度お休みさせてから、のこりの材料と捏ねていく製法のことです。

主にバゲットなどのハード生地を作るときに使う製法で、この製法を使うことで、バゲット特有の粗い気泡やクラストのサクッとした食感を出すことができます。

また、オートリーズはハード系以外にも、もっちり食パンや、リッチでソフトで口どけのよいブリオッシュなどにも応用でき、しかも取り入れるのがとても簡単な製法なので、特にパン作り初心者にはおすすめです

オートリーズを取ることで、グルテンの生成が促され、生地がまとまりやすくなるので、手捏ねで生地を捏ねるのに苦戦している人にもぜひ活用していただきたい製法です。

本記事では、取り入れるのが簡単で効果を実感しやすい、オートリーズという製法について解説しています。

オートリーズを普段のパン作りに取り入れることで、しっかり伸びる扱いやすい生地が捏ねられるので、よく窯伸びし、ふっくらボリュームの出るパンが焼けるようになります

本記事は、こんな悩みを解決したい方におすすめです

  • ハード系生地を作るオートリーズ製法の理解を深めたい

  • もっちり食感のパンを作りたい

  • 手捏ねでバターや砂糖が多い生地を捏ねると、デロデロになってまとまらない

  • 手捏ねで水分量が多いしっとり生地を作りたいが、いくら捏ねてもまとまらない

  • 手捏ねでグルテンがつながった生地が作れない

それでは、さっそく見ていきましょう!

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目次

オートリーズとは?

オートリーズとは、粉と水(とモルト)を混ぜてから、20~30分生地を寝かせた後、のこりの材料を加えて再びミキシングを行う製法のことです。

ねかせている間にグルテン生成が進み、伸びやすく、まとまりやすいい生地になります。


■ オートリーズ前の生地はぼそぼそ



■ オートリーズ後の生地は、生地の伸びとまとまりがよくなる。また全体的になめらかになる。



オートリーズ後の生地が伸びてまとまっている理由は、パンの骨格であるグルテンの形成が、オートリーズによって促されているからです

グルテンとは【補足説明】

グルテンとは、パンの骨格を支える構造のことです。

この構造は網目のような形をしていることから、「網目構造」と表現されます。

グルテン構造は、小麦粉内に含まれるたんぱく質水分と合わさり、そこに物理的な力(=捏ねる・ミキシング)が加わることで、たんぱく質が絡み合い、つながり、網目状の構造になります。

この網目がグルテン構造です。

この構造の中に、イーストが生成した炭酸ガスが取り込まれることで、パンが膨らみます。

■ グルテンの性質

グルテンは、捏ねたりパンチを入れたり、分割や成形をするなど力が加わることで、その構造が強化されます。

なぜなら、力が加わることで、グルテンの網目が細く長く伸ばされ、さらに複雑に絡まりあうからです。

ただ、グルテンは力が加わっていない状態、つまり、寝かせた状態でもその結合(グルテンネットワーク)が強化されるという性質があります。

この特性を活かした製法がオートリーズなのです。

オートリーズの効果

オートリーズの効果は、主に次の6つです。

  1. 小麦粉の水和が進み、グルテンが生成される

  2. 短い時間でミキシングが完了する

  3. クラストがサクッとする

  4. 吸水が多い生地もまとまりやすくなる

  5. 伸展性がアップし、ボリュームが大きいパンが焼ける

  6. 酵素が活性化し、粉の味が増す

それぞれの詳細を見ていきましょう。

小麦粉の水和が進み、グルテンが生成される

水和とは、小麦粉が水を吸収することを言います。

小麦粉にはたんぱく質(グリアジンとグルテニン)が含まれていますが、このたんぱく質は水と結びつくことでパンの骨格となるグルテンを生成します。

そのため、水和が進んで小麦粉内に水がいきわたった生地は、グルテンが生成されやすくなります。

また、水分が生地に吸収されているため、日持ちがよいパンに仕上がります。

グルテンは、前述のとおり、小麦粉と水を捏ねることで生成されます。

グルテンの生成と強化には、捏ねるという物理的力を加えることが必要になるのですが、グルテンは水と粉を混ぜて放置しておくだけでも生成されます

オートリーズは、小麦粉に水を吸わせる時間をたっぷり取ることで、グルテンの生成を促す効果があるのです。

短い時間でミキシングが完了する【★手捏ね派必見】

オートリーズ中に、ある程度グルテン生成が進むので、短いミキシング時間でつながった生地を作ることができます。

おうちでパン作りをするさい、オートリーズを取ることで、捏ねる作業がだいぶ楽になります。

また、手捏ね中に、どうしても生地がべたつく場合は、捏ねるのを一旦やめて、3~5分間生地をお休みさせてください。

その後再度こねると、生地がまとまりやすくなり、薄い膜も作りやすくなります。ぜひ、お試しくださいね!

クラストがサクッとする【★ハード系好き必見】

バゲット特有のサクっとしたクラストを作るには、グルテンはつながっているが、そこまでつながりすぎていない状態にすることがポイントです。

なぜか?

グルテンはミキシングでつなげていきますが、ミキシングをたくさんすると、グルテンの網目が細く長くなり、複雑にからまりあいます。

すると、からまった毛糸のように、簡単にはほぐれなくなるので、焼き上がりも、引きが強いパンになります。

また、ミキシングが多いパンはグルテン膜が薄くなるので、パンのクラスト(皮)も薄くなり、スライスしたときの内相がきめ細かくなるのが特徴です。

だから、食パンや菓子パン、コッペパンなどの生地はミキシングをしっかりかけるのです。

でも、バゲット特有のクラストが厚くカリっとした食感を出すには、グルテンが太く、短く、あまり絡まっていない状態にするのが好ましいです。

グルテン膜が太くて厚いと、クラストが厚くなり、内相も気泡が不均等で歯切れがよくなります。

なので、

パンの形を維持するには、パンの骨格であるグルテンを生成する必要があるが、食感のことを考えると、ミキシングはたくさんかけたくない。

この問題を解決するのが、オートリーズなのです。

オートリーズの時間を設けることで、ミキシングをたくさんしなくても、ある程度グルテン結合を生成できます。

なので、ミキシング時間を短くできます。

そうすることで、グルテン結合はあるが、食パン生地よりも弱い結合になっているので、焼き上がりの断面も目が粗く(バゲット特有の荒い内相になる)、クラストも厚くなるので食感を楽しめるパンに焼きあがるのです。

吸水が多い生地もまとまりやすい【★ハード系・手捏ね派必見】

バゲットに限らず、パン・オ・ルヴァンやパン・ド・ロデヴなどのハード系の生地は、吸水(水分量)が多いです。そして、吸水が多い生地はべたつき、まとまりにくいです。

なので、オートリーズを取れることで、水和が進み、水分が粉に吸収され、生地がまとまりやすくなります。

最近は、吸水の多いもっちりみずみずしい食パンも増えていますが、この場合にも、水和を進めて作業性をアップするために、オートリーズを取ることをおすすめします。

伸展性がアップし、ボリュームが大きいパンが焼ける

オートリーズ中にグルテンが生成されるということは、生地の伸び(伸展性)がアップするということです。

伸びる生地は、成形時の作業性もよくなり、窯伸び(オーブンに入れた時に生地が上に伸びること)を良くします。なので、ボリュームの大きいパンが焼けます。

特に、バゲットなどたんぱく質量が少ない、準強力粉やフランス産の小麦粉を使用する場合は、グルテン結合が強力粉の生地に比べて弱くなるため、オートリーズの効果をより感じられます

酵素が活性化し、粉の甘味が増す

小麦粉内には、でんぷん(炭水化物・糖分のかたまり)と、でんぷんを分解する酵素(αとβアミラーゼ)があります。

アミラーゼがでんぷんを麦芽糖に分解することで、粉の甘味やうまみがアップします。

正直、粉の味への効果は、20分ほどのオートリーズでは違いがほぼわからないです(※個人の感想)。

長めに(40~60分)とった方が効果を得られると思いますが、味覚が繊細なひとでないと味の違いは感じられないかもしれませんね。

なので、時間に余裕があるのであれば、いっそ低温でじっくり酵素活性をさせるオーバーナイト法にしたほうが、粉の甘味は引き出せます。

ただ、オーバーナイトした場合は、グルテン生成も強くなるので、食感がもっちりになります。好みにあわせて製法を活用してくださいね。

オートリーズ中の生地の変化

下写真は、オートリーズ中の生地組織の変化を示しています。

  1. 写真の赤色とピンクの部分がグルテンです。濃い色ほど、グルテン膜が凝縮しています。
  2. 青紫の小さい丸は、単粒化したでんぷんです。
  3. 黒い部分が、生地のつながりが弱い部分です。

左の写真が、塩無添加の場合、右の写真が、塩添加の場合です。

出典・参考図書:二瓶利夫著「Bon Painへの道」pg182-183から抜粋

上写真を見ると、時間が経つにつれ、グルテン膜が生成され、生地のつながりが弱いことを示す黒い部分が、小さくなっているのがわかります。

また、オートリーズ前に塩を添加した生地(写真右)は、塩を添加していない生地(写真左)に比べて、時間が経っても黒い部分が多く残り、グルテンがより引き締まっているのがわかります。

これは、塩がグルテンを引き締める効果があるためです。

■ 参考図書について補足

上記のグルテンの写真を抜粋した参考図書について補足します。

二瓶利夫著「Bon Painへの道」から抜粋したのですが、この本は、 ハード系のパンについて詳細を知りたいという方におすすめです。

バゲット、ロデヴ、ルヴァン等々、ハード系の生地の材料、作り方から歴史まで網羅的な詳細がつまっています。

このように、各工程の写真や焼成の様子が分単位でのっているので、とてもわかりやすいです。

オートリーズのやり方・注意点

オートリーズは、小麦粉、モルト、水を粉けがなくなるまで混ぜて、20分~生地を寝かせるだけの、簡単製法です。

簡単ですが、注意点もあるので、始める前に目を通してくださいね。

オートリーズを取る時間は20分~

少なくとも10分、できれば20~40分寝かせるがベストです。

前章の写真でもわかるように、15分だとグルテンの生成が若干足りないです。

また、1時間以上とる場合は、雑菌の繁殖を抑えるために塩を最初に添加してくださいね

塩は基本的に後入れ

塩は、グルテンを引き締める効果があるので、オートリーズの趣旨と反してしまいます。

前述の通り、塩を添加した生地はグルテンが引き締まっているので、グルテンの結合が遅くなってしまします。グルテンの結合を促すためには、グルテンがゆるんでいる必要があるので、塩を入れると逆効果になってしまいます。

もし、間違えて塩を入れてしまった場合は、オートリーズの時間を50分~とって様子をみてください。

また、塩がパン生地に及ぼす影響は下記記事にまとめてあるので、よかったら参考にしてくださいね。

20分以内ならイースト先入れでもOK

オートリーズは、粉と水(とモルト)を混ぜて取りますが、オートリーズを15~20分とる場合は、最初にインスタントドライイーストを混ぜてオートリーズをとっても大丈夫です。

理由は、インスタントドライイーストは、発酵を開始するまで15分かかると言われているので、オートリーズを20分とるのであれば、水やモルトと一緒に先入れしても差し支えないからです。

先にイーストを入れるメリットとしては、イーストの入れ忘れ防止になることが挙げられます。

(パン屋では、同時並行で数種類の生地を捏ねているため、後入れの材料を入れ忘れるということが稀にあります。)

タイマーは必ずかける

オートリーズに限らず、1次発酵、ベンチタイム、最終発酵でもタイマーをかけるクセをつけたいですね。

生地の乾燥に気を付ける

どの工程にも共通することですが、オートリーズ中は必ずラップや布をかぶせて生地の乾燥を防ぎましょう。

特に冬は生地がカピカピになりやすいので、気を付けてくださいね。

オートリーズが向いている生地

準強力粉を使うハード系

ハード系のパンは、準強力粉を使って仕込みますが、準強力粉はグルテンの元となるたんぱく質量が少ないため、グルテンが生成されにくいです。

そのため、普通にミキシングするだけでは、窯伸びしないボリュームの小さいパンになります。

しかし、がんがんミキシングをしてグルテンを作ると、粗い気泡のさっくりとしたパンには仕上がりません。

オートリーズを取ることで、ほどよくグルテンがつながり、ちゃんと膨らむパンが焼けるようになります。なので、ハード系といったら必ずといっていいほど、オートリーズを取ります。

吸水の多いパン

吸水の多い、パン・ド・ロデヴ、リュスティック、流行りのもちもち食パンなど。

オートリーズの水和の効果によって、水分量が多い生地もまとまりやすくなります。

副材料の多いパン

油脂、卵、砂糖などの副材料の多いパンは、強力粉を使っていても、なかなかつながりにくいです。

油脂は、早く入れすぎるとグルテン膜をコーティングし、グルテン生成を阻害してしまいます。

また、砂糖も添加しすぎるとゆるみの原因になります。

特にブリオッシュや、パンドーロといったパンは、バターが対粉50%入ります。

まとまりにくい上、できればミキシングも長くかけたくありません。なぜなら、ミキシングが長くなるほど、摩擦熱で生地温が上がってしまうからです。バターが溶けて余計にべたべたになり、いつまで経ってもまとまりません。

そこで、副材料を入れる前に、オートリーズを取ってグルテンをある程度生成することで、つながりにくい生地をつながりやすくでき、ミキシング時間も短縮できます。

おうちで作る手捏ねパン



繰り返しになりますが、手捏ねは時間と労力がかかるので、オートリーズを活用することで、つながった生地を作れます。

また、ミキシングの途中でまとまりにくいなと感じたら、都度3~5分のおやすみ時間を入れてあげることで、生地がまとまりやすくなります。ぜひお試しを!

オートリーズとオーバーナイト法を活用した食パンレシピはこちらから:

オートリーズとオーバーナイト法の違い

この記事を書くにあたり、さまざまなサイトの記事を読みましたが、オートリーズとオーバーナイト法がごっちゃになっている印象を受けました。

オーバーナイト法というのは、その名の通り、すべての材料をミキシングしたものを一晩低温で寝かせる製法です。パンを焼くのは翌日になります。

粉の甘味を引き出す製法として、バゲットでも活用されるし、オーバーナイト法で仕込んだ生地はしっとりもっちりするため、食パンで応用する場合が多いです。

あとはブリオッシュやクロワッサン作りでもよく活用され、一晩かけて生地をつなげていきます(オートリーズのようなグルテン生成効果を狙っています)。

オートリーズは、材料のうち、粉・水・(モルト)を混ぜたものを休ませ、グルテンが生成されてから、残りの材料と捏ねる製法です。

生地を休ませる時間は長くても1時間です。

オートリーズは、グルテン生成をすることで、ミキシング時間を短縮するといった目的で活用されます。

■ 参考までに、2つの製法の工程を比較してみました。

オーバーナイト法については、別記事で詳細をまとめているので、ぜひ参考にしてくださいね。

豆情報

オートリーズも、製法が確立された初期のころは、12時間発酵を取っていたそうです。

オートリーズをはもともと、パン・オ・グリュオーという、高価な特上粉であるグリュオー粉(gruau)を使ったパンの改良のために、カルヴェル教授(フランス国立製粉学校(ENSMIC)教授)によって編み出された製法です。

膨らまず、クープもきれいに割れないパン・オ・グリュオーの生地ですが、前の晩に粉の半量に、半量の水と塩を足して、12時間後にのこりを合わせたら、ボリュームもクープもきれいなパンが焼けたそうです。

当時の小麦粉の品質的な問題から、それくらい寝かせないとボリュームが出なかったそう。現在は、小麦粉の品質もよくなり、最初にすべての粉と水を合わせて20~30分寝かせるという手順で落ち着いています。
(出典:二瓶利夫著「Bon Painへの道」)

まとめ

  1. オートリーズとは、粉と水とモルトを混ぜてから、20~30分ねかせた後、のこりの材料を加えて再びミキシングを行う製法のこと。

    生地が休んでいる間に、水が小麦粉に吸収され(水和)パンの骨格となるグルテンの生成が促進される。

  2. グルテンの生成が促進されることで、ミキシング時間が短縮され、ハード系特有のサクッとした食感や、目の粗い内相ができる。

    またグルテンの伸展性がアップするので、窯伸びし、ボリュームのあるパンが焼ける。

  3. ハード系の他、吸水が多くべたつき生地や、副材料が多い生地もオートリーズを取ることで、水和やグルテン生成が進み、まとまりやすくなる。

    手捏ねでパンを作る場合も、オートリーズを活用することで、しっかりつながった生地を捏ねることができる。

  4. オートリーズの時間が長ければ、酵素活性の効果も期待でき、粉のあまみやうまみが増す。

  5. グルテンを引き締める塩やその他の材料は、基本的に後入れで作る。インスタントドライイーストは、オートリーズ20分以内であれば、最初に入れても差し支えない。

最後に…

今回は、ハード系のパンでは定番のオートリーズという製法についてご紹介しました。

ハード系はもちろん、食パン、ブリオッシュなどリッチなパンでも活用できる便利な製法です。

放置するだけで生地がつながるので、まとまりにくい生地を捏ねるときに効力をすごく発揮します。

手順は簡単で、いろいろなパンに応用できるので、ぜひ、うまく活用してくださいね。それでは、今日もパン作り楽しんでください:)

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