すぐ分かる!パンの専門用語(計81用語)を初心者向けにやさしく解説&図解!

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「パン用語はカタカナが多くて、わかりずらい」
「ググってもよく意味がわからなかった」

という方向けに、本記事では、基本的なパンの専門用語や、知っておくと便利な用語をわかりやすく、具体的に説明しています!

また、それぞれのパン用語の詳細がより深くわかる関連記事のリンクも貼っているので、あわせて活用してくださいね。
※本パン用語集は随時更新中!

目次

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パン用語一覧

■ あ行
アシアミノーカルボニル反応網目構造アミラーゼアンダーミキシングイースト一次発酵インベルターゼ折り込みオーバーナイト法オーバーミキシングオーブンスプリング(→窯伸び)

■ か行
加工硬化果糖加糖中種法過発酵窯伸びカラメル化反応ガス抜き吸水率強力粉クープクラストクラムグリアジングルテニングルテングルテンチェック計量ケービング(→腰折れ)酵素構造緩和コシ腰折れ(ケービング)捏ね上げ温度小麦粉

 さ行
最終発酵自家培養発酵種準強力粉焼成ショ糖ショック水和すだちストレート法成形

 た行
俵型チマーゼ中力粉低温長時間発酵手粉(てごな)天然酵母でんぷんドウコン

■ な行
内相中種法なし肌なまこ型

■ は行
薄力粉、麦芽糖、発酵、パン酵母、パンチ、フィッシュアイ、フィンガーテスト、復温、フロアタイム、分割、ベーカーズパーセント、ベンチタイム、ホイロ、包餡(ほうあん)、ホワイトライン、膨張率

■ ま行
マルターゼ、丸め、ミキシング、メイラード反応、モルト

■ ら行
ラックタイムリタードリーンリッチ

あ行

アシ(伸展性)
(⇔
コシ

パンの伸展性(伸び)のこと。

アミノーカルボニル反応(メイラード反応)Maillard  Reaction

パンに焼き色を付ける反応の1つ。生地中の糖分とたんぱく質に、熱が加わることで、メラノイジンという褐色物質(焼き色)と、香り成分を生成します。ステーキに焼き色が付く原理と一緒。
 ☞関連用語:カラメル化反応 

網目構造

パンで網目構造といったら、グルテンのことを指す。パンの骨格となるグルテン(たんぱく質)は、網目状の構造をしていて、そこへパン酵母が発酵で生成した炭酸ガスを包みこんで生地を膨らませる。

アミラーゼ Amylase

小麦粉内の酵素。でんぷんを麦芽糖に分解する。アルファ(α)アミラーゼとベータ(β)アミラーゼがある。でんぷんが麦芽糖に分解されることで、パン酵母が発酵するためのエネルギーとして利用できるようになる。 

アンダーミキシング Undermixed/ Under kneaded dough
(⇔オーバーミキシング)


ミキシング(捏ね)不足のこと。ミキシングが十分にされていない生地は、パンの骨格グルテンの生成が不十分になるので、膨らみにくく、生地に伸展性が出にくいため、表面がぼこぼこし荒れやすい。 

イースト(パン酵母) Yeast

自然界に存在している酵母のうち、パンの発酵に適した働きをする複数種の菌株のこと。

野球のチームで例えると、イーストはプロ野球選手を集めた球団。
一方、レーズン等で起した自家培養発酵種(いわゆる「天然酵母」)は、プロ野球選手に加え、プロバスケ選手や水泳選手など他のスポーツのプロ選手で結成された球団。
両球団ともスポーツ(発酵)が得意だけれども、野球(パンの発酵)に特化しているか否かの違いがある。

一次発酵(フロアタイム)Primary fermentation/ Floor time

ミキシング後~分割までの発酵のこと。フロアタイムとも言う。間にパンチ(ガス抜き)が入ることがある。

インベルターゼ  Invertase

パン酵母内の酵素。砂糖(ショ糖)をブドウ糖と果糖に分解する。このブドウ糖と果糖は、パン酵母内のチマーゼという酵素によって、炭酸ガスとアルコールに分解される。これを発酵という。

折り込み Folding

クロワッサンやパイの層を作るため、バターを包んだ生地を伸ばしては折っていく作業。

生地とバターがはっきり分かれた層ができることで、ふわっと膨らみ層がきれいな焼き上がりになる。

温度管理が重要で、生地の温度を低くしながら作業を進めることが重要。生地の温度が高いと、生地とバターがなじんでしまい、クロワッサンではなくただのぺちゃんこなパンになってします。

生地の温度が低いと生地が引き締まるので、生地をゆるませながら休ませながら折り込みをするのもポイント。

なお、パン屋ではリバースシーターという機械を使って折り込み作業を行う。

オーバーナイト法(低温長時間発酵)Overnight ferment method

生地を一晩、低温で寝かせて発酵させる製法のこと。「低温長時間発酵」とも言う。

オーバーミキシング Overmixed/ Over kneaded dough
(⇔アンダーミキシング)


パンを生地を捏ねすぎてしまうこと。過剰に捏ねすぎると、程よくつながったグルテン(パンの骨格)膜がうすくもろくなってしまい、焼いたときにパンの内相に穴あきができるなどの影響がでる。

か行

加工硬化 かこうこうか
(⇔構造緩和

物理的に生地に力を加える工程のこと。
具体的にはミキシング、パンチ、分割、丸め、成形。生地に力を加えることで、パンの骨格グルテンのつながりが強化されるといった効果が得られる。
パン作りは、生地に対して力を加える工程と、生地を緩ませる工程(構造緩和)の繰り返しで進んでいく。

果糖 Fructose

ショ糖(砂糖)がパン酵母の酵素(インベルターゼ)によって分解されたもの。(ショ糖は果糖とブドウ糖に分解される)。

加糖中種法 Sponge dough method

中種法と同じように、生地を中種の仕込みと本捏ねの2段階で仕込む製法。通常の中種法では、中種に砂糖を入れないが、加糖中種法では、材料の一部の砂糖を中種にも添加する。日本の菓子パン生地作りには欠かせない製法。

砂糖の添加量が15%を超える生地の場合、浸透圧等の影響で、パン酵母の発酵を阻害してしまう。そのため、あらかじめ中種に少量の砂糖を加えて、パン酵母を砂糖に”慣れさせる”ことで、砂糖が多い生地でもふんわり膨らむパンに焼き上げることができる。

過発酵 Over  fermented dough

発酵をとりすぎた生地のこと。パン酵母の過剰な発酵により、パンの見た目、味、風味がわるくなる。

窯伸び(オーブンスプリング) Oven spring

オーブンで生地を焼く初期段階で、パン生地が一気に膨らむこと。生地の温度が60℃前後に達するまでの間に起こります。

オープン内の高温により、パン生地内に溜まっているアルコールが蒸発・気化し、炭酸ガスが熱で膨張し、生地がいっきに膨らみます。

カラメル化反応 Caramelization

パンに焼き色を付ける反応の1つ。糖が、約170℃~190℃に加熱されると、カラメル(キャラメル)と呼ばれる褐色の物質に変化する。これが焼き色と香りのもと。

ガス抜き(パンチ)Punching

一次発酵と分割の間にはいる工程。一次発酵で膨らんだ生地のガスを一度抜いて、生地をたたむことで、グルテン結合の強化をする。

吸水率

粉100%に対してどれくらいの割合(%)の水を入れるかを表した数字。パン業界では、レシピ記載の水のことを吸水という。

強力粉 Strong flour/ bread flour

小麦粉はたんぱく質量によって分類されることが多いが、強力粉はたんぱく質量が多い(11.7%ほど)パン作りに向いている小麦粉。

クープ coupé/ Slashes

バゲット等のハード系のパンにいれる斜めの切り込みのこと。クープナイフという専用のナイフでいれる。火通りをよくする、窯伸びをよくするなどの効果がある。長さに応じて3本、5本、7本と入れるのが一般的。

クラスト(⇔クラム) Crust

パンの皮のこと。

クラム(内相)(⇔クラスト)Crumb

パンの中身のやわらかい部分。

グリアジン Gliadin
(関連用語:グルテン、グルテニン)

小麦粉のたんぱく質の一種で、同じく小麦粉内のたんぱく質であるグルテニンと水で捏ねられることで、グルテンを生成する(グルテンは、パンの骨格を支える構造のため、パン作りでは欠かせない)。

グリアジンの特徴は、粘性があるので、よく伸び、グルテンに伸展性を付与する。

グルテニン Glutenin
(関連用語:グルテングリアジン

小麦粉のたんぱく質の一種で、同じく小麦粉内のたんぱく質であるグリアジンと水で捏ねられることで、グルテンを生成する(グルテンは、パンの骨格を支える構造のため、パン作りでは欠かせない)。

グルテニンは特徴は、弾力性があるので、グルテンに硬さを付与する。これをコシという。

グルテン Gluten

小麦粉中の2種類のたんぱく質(グリアジンとグルテニン)が、水と捏ねられることで網目状につながったもので、パンの骨格となる。網目構造の中に発酵ガスを包みこむことでパンが膨らむ。イメージとしては、グルテンが風船で、その風船の中に、パン酵母が発酵活動で生成した発酵ガスが保持され、膨らんでいく。
【↓グルテン】

グルテンチェック windowpane test

グルテンのつながりを確認する方法。生地を両手でゆっくり伸ばして、膜の薄さ、均等さ、裂け方をみて、生地のミキシングが適正であるかを判断します。

生地を多めにとってグルテンチェックすることが大事。また、パンの種類によって適切なグルテンのつながり具合が異なってきます。

計量 Scaling/ measuring

材料を計る工程。特に発酵に影響するイースト・パン酵母は、0.1gで計れる量りを利用するのが鉄則。
 ☞0.1gで計れるおすすめの量り:

酵素 Enzymes

パン作りで重要な酵素は、糖分を分解する酵素である(小麦粉中のアミラーゼ、パン酵母中のマルターゼ、インベルターゼ、チマーゼ)。パン酵母は、小麦粉のでんぷん由来の糖分(麦芽糖)や、砂糖由来の糖分(ショ糖)を酵素の力で分解することで、アルコールと炭酸ガスを生成し、発酵する。

構造緩和 こうぞうかんわ
(⇔加工硬化

物理的に生地に力を加える工程(加工硬化)のあとに生地を休ませること。具体的な工程は、1次発酵、ベンチタイム、最終発酵。

生地を休めることで、発酵が進み、パンの骨格グルテンを伸びやすい状態にする。パン作りは、生地に対して力を加える工程と、生地を緩ませる工程の繰り返しで進んでいく。

コシ(弾力)
(⇔アシ

生地の弾力のこと。

腰折れ(ケービング) Bread collapsing/ bread shrinking

焼成後のパンが凹んでしまうこと。



原因は、パンの焼き色が薄い(パンの皮がしっかり焼けていないので、パンの構造を支えられない)や、パンをオーブンから出したときに外の冷気の影響で、パン内部の熱い空気が急激に収縮することで、パンがしぼんでしまう。

腰折れを防ぐには、焼きたてのパンにショックを与えるとよい。

捏ね上げ温度 dough temperature

ミキシング直後の生地の温度。その後の工程に影響するので、レシピ通りの温度で捏ね上げるのが重要(例えば、捏ね上げ温度が高すぎたら発酵時間を短くする等)。毎回きちんと計ることで、パン作りが安定する。

小麦粉 Flour

小麦を粉砕した粉のこと。小麦粉に含まれる主な栄養素は、たんぱく質、でんぷん、と灰分。パン作りで重要なのが、パンの骨格グルテンのもととなるたんぱく質。

さ行

最終発酵(ホイロ)Secondary/ Final fermentation

成形後にとる最後の発酵のこと。最終発酵後の工程は、焼成。

自家培養発酵種
(関連用語:イースト)

”昔ながらの方法”で、果実や穀物に生息しているパン酵母(イースト)を培養させたもの。パン酵母以外にも、培地となっている果実や穀物に生息する、微生物(特に乳酸菌)がバランスよく共生している。 

インスタントドライイーストの違いを野球チームで例えると、イーストはプロ野球選手を集めた球団。
一方、レーズン等で起した自家培養発酵種(いわゆる「天然酵母」)は、プロ野球選手に加え、プロバスケ選手や水泳選手など他のスポーツのプロ選手で結成された球団。
両球団ともスポーツ(発酵)が得意だけれども、野球(パンの発酵)に特化しているか否かの違いがある。

準強力粉  All purpose floor

小麦粉はたんぱく質量によって分類されるが、準強力粉はたんぱく質量が10%ほどの小麦粉。バゲットやクロワッサンに向いている小麦粉。

焼成 しょうせい Baking

パン生地を焼く工程のこと。

ショ糖

砂糖のこと。パン酵母が発酵するための即効性のある重要なエネルギー源。

ショック give a bang on a tray

焼成後、オーブンから出したパンにショックを与えること。

天板や型をテーブルにコンコンとたたきつけることで、パンの外の冷気と、パン内部の熱い空気が瞬時に入れ替わるため、腰折れ(ケービング)を防ぐことができる。

水和

水和とは、小麦粉が水を吸収することを言う。

小麦粉にはたんぱく質(グリアジンとグルテニン)が含まれているが、このたんぱく質は水と結びつくことでパンの骨格となるグルテンを生成する。

そのため、水和が進んで小麦粉内に水がいきわたった生地は、グルテンが生成されやすくなる。

また、 水和が進んだ生地は、水分が隅々までいきわっているため、しっとりした日持ちがよいパンに仕上がる。

すだち

パンをスライスしたときに見える、丸や縦長の気泡の跡。
すだちはパンの種類によって異なり、食パンや菓子パンではきめ細かく、気泡の膜が薄く、ハード系では膜が分厚い大きなすだちになる。
すだちの模様はグルテンの結合具合に起因する。

ストレート法

計量から焼成までの工程を一日で完結させること。一般的なパン作りの方法。

成形 Shaping

パンの形を作ること。生地の分割とベンチタイムが終わった後の工程。パンの焼き上がりの見た目を決定する。

た行

俵型 log

生地を分割後に、細長い俵状のかたちにまとめること。バゲットやチョココロネなど、最終形が長細いパンの場合、成形しやすいように分割後は丸めずに、長細くまとめる。なまこ型ともいう。

チマーゼ Zymase

パン酵母内の酵素。マルターゼやインベルターゼ(酵素)が分解したブドウ糖や果糖を、炭酸ガスとアルコールに分解する。

中力粉  Pastry flour/ All purpose flour

小麦粉はたんぱく質量によって分類されるが、中力粉はたんぱく質量が9%ほどの小麦粉。麺や焼き菓子作りに向いている小麦粉。

低温長時間発酵(オーバーナイト法)Overnight ferment method

生地を一晩、低温で寝かせて発酵させる製法のこと。オーバーナイト法のこと。

手粉(てごな)on a (lightly) floured surface

打ち粉こと。生地が作業台と手にくっ付くのを防ぐために使う粉のこと。

手粉が少ないと、生地と手がべたべたにくっつき、生地の表面が荒れてしまう。作業性もわるくなる。

ただし、生地がべたつくからと言い手粉を使いすぎると、丸めや成形時に生地が滑って作業性がわるくなる。

また、手粉が多く滑りやすい状態で成形すると、生地が接着しないため成形がうまくいかず、接着していない生地の部分が最終発酵後にぱっくり割れるなど、パンの見た目への影響もある。生地の接着不足は、焼成後のパンの断面の空洞の原因にもなる。

さらに、生地に粉がまじることで、レシピで想定したいた以上の粉が生地に加わり、本来の食感や見た目と異なってしまう場合もある。

天然酵母 Home-made yeast/ wild yeast 
(関連用語:自家製培養発酵種、イースト)

果実や穀物に生息しているパン酵母(イースト)を培養させたもの。パン酵母以外にも、培地となっている果実や穀物に生息する、微生物(特に乳酸菌)がバランスよく共生している。
※パン業界では、「天然酵母」の名称は消費者に誤解を与えてしまいことから、「自家培養発酵種」の名称が推奨されている。

でんぷん Starch

小麦粉に含まれる主な栄養素の1つ。でんぷんは、小麦粉内の酵素(アミラーゼ)によって麦芽糖に分解されることで、パン酵母の発酵のエネルギー源となる。

ドウコン Dough conditioner

ドウコンディショナーの略。
もともとは、パンの発酵や味を向上させるための、品質改良剤等のことを指す。パン屋で「ドウコン」というと、パンを発酵、復温、冷凍、冷蔵させる発酵器のような設備のことを指す。全自動で庫内の温度を調整して、生地の解凍~発酵を行う便利な設備。

な行

内相(クラム)Crumb

パンの中身のやわらかい部分。

中種法(なかだねほう)Sponge dough method

中種法とは、パンのミキシングを2段階に分けて行う製法のこと。
まず、材料のうち小麦粉(一部)、パン酵母、水を一緒に捏ねて発酵させる。これを、中種という。
中種が発酵したら、残りの材料と捏ねる「本捏ね(ほんごね)」という作業をする。

中種法を使うことで、生地の水和が進み、日持ちがするパンが焼ける、グルテン形成が進み、きめ細かいくちどけのよいパンに仕上がる、生地の伸展性が良くなるので機械耐性・作業性がよくなる等のメリットがある。
※砂糖の添加量が15%を超える場合は、加糖中種法で仕込むとよい。

なし肌(フィッシュアイ)Fish eyes

焼成後の表面にできる、ぶつぶつした火ぶくれのこと。冷蔵や冷凍した生地を十分に常温に戻さないで工程を進めたときに発生しやすい。別名フィッシュアイ。

なまこ型   log

生地を分割後に、細長い俵状のかたちにまとめること。バゲットやチョココロネなど、最終形が長細いパンの場合、成形しやすいように分割後は丸めずに、長細くまとめる。俵型ともいう。

は行

薄力粉 Cake flour

小麦粉はたんぱく質量によって分類されるが、薄力粉はたんぱく質量が9%ほどの小麦粉。麺や焼き菓子作りに向いている小麦粉。

麦芽糖 Maltose

小麦粉のでんぷんが分解されたもの。
麦芽糖は、パン酵母が発酵活動をする際のエネルギー源になるとても重要な糖分。

発酵 Fermentation/ Proofing

発酵とは、パン酵母が生地内の糖分を酵素の作用で分解し、アルコールと炭酸ガスを生成する一連の流れのこと。炭酸ガスによって生地が膨らみ、アルコールによって芳醇な香りが生成され、生地の伸展性がアップする。 

パン酵母(イースト)

自然界に存在している酵母のうち、パンの発酵に適した働きをする複数種の菌株のこと。

パンチ(ガス抜き)Punching

一次発酵と分割の間にはいる工程。一次発酵で膨らんだ生地のガスを一度抜いて、生地をたたむことで、グルテン結合の強化をする。生地温の均等化などの効果もある。

復温

冷蔵や冷蔵させた生地の温度を、徐々に上げていくこと。

フィッシュアイ(なし肌)Fish eyes

焼成後の表面にできる、ぶつぶつした火ぶくれのこと。冷蔵や冷凍した生地を十分に常温に戻さないで工程を進めたときに発生しやすい。なし肌ともいう。

フィンガーテスト  Proofing test/ Poke test

パンの発酵を見極めるためのテストの1つ。生地に指で穴をあけて、生地の戻り具合(弾力)から、発酵具合を判断する。

フロアタイム(一次発酵) Floor time/Primary fermentation

ミキシング後~分割までの発酵のこと。間にパンチ(ガス抜き)が入ることがある。

分割

一次発酵を終えた生地を、レシピ指定の大きさに分けること。

ベーカーズパーセント

小麦粉量を100%とし、ほかの材料の割合を対粉比で表したもの。(材料の分量÷粉の分量×100)

ホイロ(最終発酵・二次発酵)

成形後にとる最後の発酵のこと。最終発酵の後に焼成する。

包餡(ほうあん)

あんこやカレー等のフィリングを、生地の中に包み込むこと。あんベラという道具を使うと便利。

ホワイトライン

角食パンを焼き上げたとき、パンの角にできる白いラインのこと。

ホワイトラインがあると、適正発酵・適正温度できれいに焼成ができたとされます。
例えば、過発酵の生地だと、生地が角食パンの型目一杯まで膨らむので、角が角ばりホワイトラインがありません。

また、ロールの場合は、パンの底のふちに現れる白いラインをホワイトラインといいます。

膨張率

発酵前と後の生地の膨らみ具合のこと。通常は、2~3倍で発酵終了の目安とする。

ま行

マルターゼ Maltase 

パン酵母内にある酵素で、麦芽糖をブドウ糖に分解する。このブドウ糖は、さらにパン酵母内のチマーゼという酵素によって、炭酸ガスとアルコールに分解される。これを発酵という。

丸め Rounding

分割した生地を丸めてまとめる工程。
分割直後の生地は、分割した断面がべたべたしているので、生地を丸めることで表面をなめらかにし、次の工程(成形)の作業性を良くします。

ミキシング Mixing / Kneading

生地を捏ねること。目的は、材料を均等に混ぜることと、パンの骨格となるグルテンを作ること。

メイラード反応(アミノーカルボニル反応)Maillard Reaction
(関連用語:カラメル化反応)

パンに焼き色を付ける反応の1つ。生地中の糖分とたんぱく質に、熱が加わることで、メラノイジンという褐色物質(焼き色)と、香り成分を生成します。ステーキに焼き色が付く原理と一緒です。

モルト(malt)

パン作りにおけるモルト(モルトシロップ・エキス)とは大麦を発酵させたもので、麦芽糖と、αアミラーゼ(でんぷん分解酵素)が含まれている。
麦芽糖は、パン酵母の発酵活動のエネルギー源(エサ)となり、αアミラーゼは、小麦粉のでんぶんを麦芽糖へ分解し、パン酵母がエサとして利用できる小さい糖分にする。
モルトは、生地に砂糖を添加しないバゲット等のパン生地に添加されることが多い。

ら行

ラックタイム

①2次発酵後に生地をホイロ・発酵機から出した後、常温で5~10分おいて生地表面を乾かすこと。表面を乾かすことで、バゲットのクープが入れやすくなる、塗玉がぬりやすくなるといった効果がある。
②冷蔵生地など冷たい生地で成形をした後、常温で生地の温度を戻すこと(戻した後に、ホイロ・発酵機に入れる)。

パン屋では、パン生地がのった天板をラックにさしておくことから、ラックタイムと言うのだと思われる。

ラックのイメージ

リタード Dough retarding

生地の熟成のため1~4℃の低温で生地をじっくり発酵させること。

生地を冷凍しないけど、パン酵母の活性が鈍くなる温度帯に入れることで、生地を長時間安定した状態に保てる。

クロワッサンなどの折り込み生地や、作業の都合上生地を焼くのを遅らせたいときなどに使われる。

リーンLean dough
(⇔リッチ)

粉、水、パン酵母、塩といったパンの基本材料のみを使った、シンプルな配合のパンのこと。バゲットやパン・オ・ルヴァン等ハード系のパンのことを指す。

リッチRich dough
(⇔リーン)

パンの基本材料に加え、砂糖、バター、ミルク、卵などの贅沢な(リッチな)材料を使って作ったパン。ブリオッシュやクロワッサン、菓子パン等。

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