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パンの作り方をイラストで図解:初めてでも分かりやすいパン作りの基本工程解説書(計量から焼成まで)

パンはどのように作るのか?
なぜその工程が必要なのか?
自分でも作れるのか?

パン作りを始めたばかりの方、あるいはこれからパン作りにチャレンジしたいという方は気になりますよね。

本記事では、基本的な食事ロールのレシピをもとに、パン作りの計量から焼成までの工程を、パン作り初めての方でも分かりやすいようにやさしく図解しています。

イラストもたっぷり用いて、なるべくかみ砕いて解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

各工程の意味が理解できれば、はじめてでもパン作りにそこまで失敗せず、おいしいパンが焼けるようになります。

ぜひ一読して、パン作りに挑戦してくださいね!

また、本記事では、おうち向けレシピと、パン屋向けレシピをのせているので、おうちで気軽にパン作りを楽しみたい方から、パン屋orパン屋になりたい方まで、参考になる内容にしています。

それでは、まずパン作りの工程の全体像から見ていきましょう!

※本記事で記載されている、イーストとはパン酵母のことを指します。

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目次

工程の全体像

それぞれの工程の説明に入る前に、全体像をまず見てみましょう。

■ 工程と作業時間

生地量にもよりますが、食事ロール20個を作ることを想定したときの、工程ごとに要する時間(目安)は次のとおりです。

パン作りは、発酵を取るタイミングが何度かあるので、時間がかかります。シンプルなものでも5時間~はかかります。

1.計量
2.ミキシング(捏ねる)25分~
3.1次発酵        60分~
4.パンチ       5分
 (1次発酵の続き)   30分~
5.分割 10分
6.ベンチタイム    20分~
7.成形        15分
8.最終発酵(ホイロ) 90~120分
9.焼成         

なぜパン作りは工程が多いのか

上記の工程数をみて「パン作りは工程が多いなぁ」と感じる方も多いと思います。

なので、まず「なぜ、パン作りこのような手順で作っていくのか?」を、はじめに解説します(とても重要)。

キーワードは「加工硬化」と「構造緩和」です。難しそうな言葉ですが、簡単に言うと「力を加えて」「ゆるませる」ということです。

「加工硬化」と「構造緩和」について

パン作りは、生地に対して力を加える工程と、生地を緩ませる工程の繰り返しにより進んでいきます。そのため、工数が多くなってしまうのです。

生地に力が加わる工程とは、ミキシング、パンチ、分割、成形です。そして生地に力が加わり、生地が緊張した状態になることを、加工硬化と言います。

加工硬化の工程の後には必ず、1次発酵、ベンチタイム、最終発酵等、生地を緩ませる時間が設けられます。生地を休ませることを構造緩和といいます。

  1. ミキシングで生地を捏ね始めると、小麦粉内のたんぱく質が、パンの骨格となるグルテンを作ります。

    グルテンは網目状の構造をしていて、この網目の中にイーストが発酵で作った炭酸ガスが包み込まれます。これによって、生地が膨らみます。

    イメージでいうと、グルテンが風船、イーストが風船を膨らませるガスです。

  2. こねた直後の生地の中は、グルテンが複雑に絡み合った状態。

    伸ばそうとしても伸びず、引き締まっており、無理に伸ばそうとするとちぎれてしまい、とても傷みやすい状態です。

  3. そのため、緊張して傷みやすい生地をしばらく休ませるために、発酵時間をとります。

    生地が休んでいる間は、イーストが発酵活動を進め、発酵ガスとアルコールを生成します。

    そして、炭酸ガスがグルテンの網目に入り込むことで、風船のように膨らみ、絡まったグルテンがほぐれて、伸ばされていきます。

    このように生地を緩ませることを、構造緩和と言います。

  4. 構造緩和で再びよく伸びるようになった生地に、パンチや分割で再び生地に力を加えることで、生地中のガスが抜け、グルテンがさらに複雑に絡み合います。

    これによって、生地の骨格が強化されていきます。

  5. そして再び構造緩和することで、生地はまた伸びやすくなり、分割や成形時に作業がしやすい状態になります。

このように、パン生地は加工硬化と構造緩和の繰り返しによって、ほどよくのび、しっかりとした生地に育っていきます。

基本の配合

本記事では、わかりやすいように基本の食事ロールのレシピと工程をもとに、パン作りの手順を説明していきます:

■ おうち向けレシピ 

食事ロール21個分(1個あたり25g)総量:534.5g

スクロールできます
材料グラム(g)ベーカーズパーセント※(%)
強力粉(カメリヤ)250100
グラニュー糖3012
52
インスタントドライイースト4.51.8
卵黄4016
牛乳15562
バター5020

ベーカーズパーセントについて 

ベーカーズパーセントとは、小麦粉量を100%とし、ほかの材料の割合を対粉比で表したものです。

パン屋では分量は、利便性が高いベーカーズパーセント表記で統一しています。

例えば、上記のレシピだと、強力粉250gに対して塩が5gの配合です。
これをベーカーズパーセントにすると、粉100%に対し、塩が2%ということになります。
→塩5g÷粉250g=0.02
 0.02×100% =2%

■ パン屋向けの配合
食事ロール85個分(1個あたり25g)

スクロールできます
材料グラム(g)BP
カメリヤ1000100
グラニュー糖808
202
サフセミドライイースト赤51.5
モルト※101
ロワール20030
牛乳62062
バター20020
★総量2145

※モルトは原液:水を、1:2で薄めたものです。

計量

パン作り最初のステップが、正確な計量です。

パン作りの材料にはイーストや塩など、粉に対してわずか2%ほどしか配合されていない材料もあります。

特に、ご家庭等で作る場合は分量も少なくなるので、正確に、0.1g単位で計量できる、デジタルの計りを利用することを強くおすすめします。 

ワンポイントアドバイス

計量する際は、分量の多いものから図るのがおすすめです。

①まず、大きめのボールに粉を計量します。

②塩や砂糖は小さいボールで計量し、粉が入っているボールに合わせます。

③イーストは、捏ねる直前まで、塩&砂糖に触れないよう、別にしておいてください。触れてしまうと、塩や砂糖がイーストに作用しはじめ、発酵力が弱る原因になります


④液分の卵黄と牛乳は、同じボールで計量して軽く撹拌します。牛乳は、電子レンジで軽くチンをし、ぬるま湯程度の温度まで上げましょう。

⑤卵とバターはあらかじめ常温(指で押せる程度の硬さ)に戻します。
※季節にもよりますが、作業開始の1~2時間前には冷蔵庫から出しておいてください。

ミキシング(捏ねる)

計量が終わったら、いよいよミキシングです。手捏ねの場合は、根気よくがんばりましょう:)

粉、砂糖、塩、イーストは同じボールで一度よく混ぜて、ムラができないようにします。特にイーストは液分を加えると、だまになりやすいので、他の粉類とよく合わせましょう。

手ごねのやり方

  1. 液分を粉類(粉、さとう、しお、パン酵母)が合わさったボールに投入。


  2. だまにならないよう、手早く手で円を描くように混ぜていく。

  3. カードを使って、ボールの壁にへばりついた生地もすべてまとめてく。


  4. 面台(作業台やテーブル)の上に粉をひき、生地を出す。

  5. 生地がひとかたまりになるまで、作業台の上に生地をこすりつけるイメージで捏ねていく

    ★ポイント! このとき、手のひらと、手の付け根の部分を使って外側の生地を内側に入れ込むように繰り返しこすりつけてく。こすりつけたら、生地をたたんで、角度も変えつつ捏ねていく

  6. まとまった生地は、まだ表面がぶつぶつしているので、仕上げていく。

    片手で生地を持ち、台にばちんと叩きつける。叩きつけたら、1回生地を奥にたたんで、また叩きつけたたんでという動きを続ける。

    生地に物理的な力を加え、グルテン結合&加工硬化を起こすのが、目的


  7. 続けると、表面がなめらかになり、つやが出はじめる。

    生地を伸ばすと、薄い膜ができるが、やや粗く裂けてしまう状態。ここで、バターを投入。

    ポイント! もし、生地を伸ばした時に膜がまだぶつぶつして、分厚く、伸ばすとすぐに裂けるようであれば、まだ捏ねが足りません。

    この状態で、バターを加えると、生地内のグルテンがコーティングされて、捏ねても、生地の繋がりは改善されません。妥協せず、引き続き捏ねましょう。(一番の頑張りどころ)

  8. バター投入後は、はじめはカードで生地を切っていき、なじませる。なじんできたら、引き続き、叩いてたたんでを繰り返す。

  9. 続けると、だいぶつやが出てくる。触感もかなりやわらかく、とろみ感がでてくる。

    生地を伸ばすと、うすーい膜ができ、さらに伸ばすと膜がすっと破ける。これが、捏ね上げOKサインです。

    (イラスト下のように、膜が破れた後の断面がなめらかどうかも、ひとつ目安ですが、手ごねの場合そこまで神経質になる必要はないです)

  10. 捏ねあがった生地は、表面をきれいに張らせて整え、おしりを下にしてボールにもどします

    まとめ方は、外側の生地を中心に入れ込むイメージで行います。きれいまとまっていればOKです。

1度手ごねをすると分かるのですが、これがけっこう時間がかかり大変です。少なくとも20分はひたすらリズムよく捏ねていく必要があります。

なので、わたしはよくキッチンエイドのハンドミキサーを使って、労力と時間を節約しています!

わたしと同じように「本当はスタンドミキサーがほしいけど、予算とキッチンのスペース的に購入できない」という方にはぜひおすすめしたい道具です!※詳細は下記リンクにて↓

ミキサー(orキッチンエイドスタンドミキサー)を使う場合

ミキシング:L3M9↓(油脂※)M6~
捏ね上げ温度:26~27℃

油脂入れ後の、捏ね上げの目安は、伸びがよく、なめらかならOKです。生地を伸ばしたときに、膜の薄さが均等で、かつ伸ばし続けると膜がすっと裂けます。


捏ねあがった生地は、小さすぎず、大きすぎないばんじゅうやボールにあげましょう。

大きさの目安は、生地が1次発酵を終えた時に、ばんじゅうの壁にぶつかり、上へ伸びていけるくらいの大きさです。

★ 油脂入れのタイミング(目安)について

油脂入れ前は、生地がボールからはがれ、つやが出始めた状態です。ある程度生地が伸びるまでつなげていくことが重要です。

ちなみに、油脂入れ後は1足で回してから2足にする人が多いと思いますが、そのまま2足で回した方が、なじみも早くなります。

■ 油脂入れのタイミングが早すぎると

油脂を投入すると、グルテン膜がコーティングされて、つながりにくくなります

生地がつながっていない状態でミキシングを終了してしまうと、その後の分割や、成形に生地が耐えられず、表面がぶつぶつし、伸びない(膨らまない)ボリュームの小さい、詰まった仕上がりになってしまいます。

■ 油脂入れのタイミングが遅すぎると…

逆に、油脂を入れる前につなぎ過ぎてしまうと、油脂後のミキシングがかかかりすぎてしまい、オーバーミキシングになってしまいます。

■ オーバーミキシングとは?

オーバーミキシングとは、ミキシングが適正を超え、過剰になっている状態のことです。

オーバーになると、グルテンの網目構造が過度に細く、長く、引き伸ばされ、グルテン結合が弱くなります(膜が全体的に薄くなります)。

結果、焼成のさいに、グルテンが窯伸びに耐え切れず、膜が割れ、穴あきができやすくなる等の影響が製品にでます

また、ミキシングが長くなりすぎると、生地の捏ね上げ温度が上がります。そうすると:

  • パン酵母の発酵のペースが速くなるので、後の工程で発酵時間や温度を、より注意深くコントロールする必要が出てきます。
  • 生地温が39℃近くまで上昇すると、グルテンがもろくなり、ガス保持能力が下がります。グルテン膜は一度もろくなったら、弱いままなので、気を付けましょう。

★ワンポイントアドバイス

夏場など、捏ね上げ温度が上がりやすいときは、あらかじめ材料とミキサーボール自体を冷やす、ミキシング中はミキサーボールの底を氷で冷やす等の対策を取りましょう。

さらに詳しく:ミキシングとグルテン結合

ミキシングの工程は、グルテン構造の絡まりぐあい(=結合)をコントロールする工程です。

そして、グルテンの絡まり具合を確認できるのが、生地を伸ばしたときの膜の状態をみることです。

生地をゆっくり伸ばして、膜の薄さ、均等さ、裂け方、裂けたあとの生地の具合、伸ばしたときの感触(伸びているか、弾力があるか)、なめらかさ等が、捏ね上げの目安として、用いられます。

1次発酵(フロアタイム)

ミキシングが終わった生地は、28℃(湿度75%)ほどで発酵を取ります。

ご家庭の場合は、夏場であれば、室温でOKです。冬場は、電子レンジの発酵機能を活用するか、熱湯を注いだマグカップと生地を休ませているボールを、電子レンジに入れておくと◎です。温度も湿度も保たれます。

1次発酵終了の目安

  • ポイント① フィンガーテスト
    発酵した生地に指を入れて穴を作り、生地の戻り具合(弾力)を観察します。

【適正な発酵】指を抜いた後、生地に指の跡がのこり、ほとんど戻ってこなかったら、適正な発酵と言えます。

【発酵不足】指を抜いた際、生地が反発して戻ってくる場合は、まだ生地が緩んでいない状態=発酵が足りていない状態と言えます。もう少し発酵を取りましょう。

【過発酵】逆に指で生地を押した圧力で、生地から空気が抜けしぼんでしまった場合は、発酵し過ぎた、過発酵の状態です。ここからのリカバリーは難しいので、思い切って平らに成形してピザにするなど、アレンジをすれば、おいしくいただけます。

  • ポイント② 膨張率(ふくらみ具合)

    生地が発効前に比べて2倍程度の大きさになれば◎です。(厳密には、初めの生地体積の2.5倍~3倍)

★ワンポイントアドバイス

おうちで発酵をとるさいは、透明なボールかタッパーにいれて発酵させると膨張率がわかりやすくなります。
<発酵前>

<発酵後>

  • その他のポイント

    生地量が多ければ、フィンガーテストを行うというよりは、生地全体の状態を見ましょう。ばんじゅうを揺らしたときの、ゆれ(ゆるみ)具合や、手全体で、生地の弾力を感じましょう。

1次発酵の意味

ミキシングで材料が合わさると、小麦粉やイースト中の酵素が働き始め、発酵プロセスがスタートします。発酵プロセスとは次のことをいいます。

  1. パンの骨格であるグルテンが生成される。
  2. イーストが生地中の糖分をエネルギー源とし、炭酸ガスやアルコールを作る。
  3. このガスが、グルテンに包み込まれて、生地が膨らむ。
  4. その他の酵素や乳酸菌、酢酸菌などの作用で熟成やパンの香り成分が生成される。

パンチ

次発酵が終了しました。次は、パンチという工程に入ります。

パンチとは、1次発酵で構造緩和した(緩んだ)生地に力を与える、加工硬化の工程です。

ちなみに、パンチは1次発酵の間に入る工程なので、パンチを入れたら1次発酵の続きを取ります。

例えば、60分(1次発酵前半)→パンチ→30分(1次発酵後半)のように、パンチ前後は1次発酵でサンドウィッチされてます。

パンチの方法

よくおうちレシピなどでは、膨らんだ生地を文字通り上からパンチしてつぶすことがパンチと記載されています。この場合は、パンチをすることで生地のガスを抜くことが目的ですね。

ですが、できれば”パンチ”でガス抜きをしつつ、生地をたたんだりして生地に刺激をあたえることが望ましいです。そうすることで、より膨らんでボリューム感のあるパンが焼けるようになります。

パンチ後には生地表面が適度に張っていて、弾力がある状態にするのが理想です。

具体的な手順は次の通りです。

【パンチの目安(工程⑦参照)】

生地の表面がピンと張り、なめらかでツヤがある状態です。さわわると、弾力も感じられます。

【パンチ後の休ませの目安】

休ませ終了の目安は、1次発酵完了の目安と同様に、フィンガー テスト等で見極めましょう。
★また、生地に伸びと柔らかさがもどっていれば大丈夫です。

※注意点
パンチでは、大きいガスをしっかり抜くのがポイントです。

力いっぱい抜くのはNGです。あくまでも、不均一な大きいガスを抜き、生地内の小さいガスが均等になるイメージで行います。

パンチの効果

パンチをすることで、次の3つの効果が期待できます。

  1. 生地中の炭酸ガスを抜き、フレッシュな酸素を取り入れる

    イーストは酸素がないと発酵活動ができません。パンチで生地内の炭酸ガスを抜き、フレッシュな酸素を供給することで、イーストの発酵を促すことができます。

  2. 生地の温度の均一化

    外気に触れている生地の表面と内部の温度には差があります。そして、この差は生地量が多いほど大きくなります。

    パン酵母の発酵は温度によって左右されるため、生地の表面と内部の温度差をなくすことが重要です。パンチをすることで、外側と内側の生地を入れ替えることができます。

  3. 発酵で構造緩和した生地に力を加え、加工硬化を起こす



    1次発酵によりグルテンの網目はパン酵母の炭酸ガスによって、引きのばされた状態にあります(上図1)。

    パンチをすることで、グルテンに保持されていたガスが一度抜けるため、グルテンの網目同士が複雑に絡まり合います(上図2)。

    絡まることで、グルテンの結合が強化されます。イメージとしては、からまった毛糸のように、ひっぱってもちぎれなくなります。

    強化されたグルテンは、炭酸ガスをしっかり保持することができるので、生地を焼いたときの膨張(窯伸び)にあわせてしなやかに伸びて膨らむことができます。

    グルテン結合が弱いと、生地を焼いた時ガスの膨張に耐えられず、グルテン膜が破れてしまい、パンが膨らまなかったり、大きな穴あきの原因になります。

    また、グルテンが絡まりあうことで、網目ひとつひとつが細かい均等な大きさになります(上図3)。そのため、焼き上がりの内相もきめ細かくなり、くちどけのよいパンになります。

分割・丸め

分割は、生地を等分に切り分け、次の成形工程でパンを最終形に成形しやすくするための工程です。

パンの成形は分割からはじまっています

【分割の目安】生地がゆるんだらOK。フィンガーテストで確認します。

【分割量】25g。すべての生地を分割したら、丸めていきます。

分割・丸めのやり方【おうちでパン作りをする場合】

  1. 分割は、スケッパーかカードを利用します。生地をこなを振った作業台に出し、厚みを均等にしてから切り分けます。


  2. 生地を丸めていきます。分割した生地を左手に取り、右手のひらは生地の上からドームのようにかぶせて生地を包み込みます。

  3. 左手は、基本的に動かさず、右手のひらを半時計周りにくるくると円を描くようにし、中の生地を丸めていきます。

    この時、右手の親指&小指の縁の部分は、左手から離さないように意識しましょう。手は常に、ドーム型を保ち、生地をつぶさないように。
  4. 手の中で、生地が自然に丸まっていくのを感じられたら、OKです。

    粉をかるくひいたトレイなどに、生地を等間隔におきます。

    クッキングシートを上にひいてから、ラップでしっかりフタをします。いきなりラップを生地の上にかぶせると、生地がくっついてしまうで、間にクッキングシートを挟むと◎です。

分割・丸めの手順【パン屋さん向け2分割のやり方】

  1. 分割は、時間短縮のために基本的に、2分割で行いましょう。

    25gの生地を分割したい場合は、50gで計量をし、丸めるさいに、手で半分に分割します。

    この時、分割した生地を軽くころがし、均等に少し長細くします。次に、生地の半分のところで、手の小指側の側面を使い、半分に分割します。こうすることで、均等に半分ずっこできます。



  2. 丸めていきます。

    両手のひらを、ドーム状にし、分割した生地を包み込みます。この時、親指と小指側の手の縁が、面台から離れないように意識しましょう。


  3. 両手で、内側に円を描くようにくるくる動かします。

    この時の力加減ですが、生地は押さえつけず、親指と小指が面台に密着し、手がドーム状になっていることを意識しましょう。

    生地が手のひらの中で勝手に転がり、丸くなっていくのを感じられるはずです。

  4. 丸まってきてらOKです。ばんじゅうに、丸めた順番が分かるように等間隔においていきましょう。

    間隔がせますぎると、ベンチタイムの間に生地がくっついてしまい、分割の意味がなくなります。

  5. 最後に、ばんじゅうを切り替えして、最初に丸めたものが上にくるようにします。ばんじゅうにフタをするのを、忘れずに。

分割・丸めの意味と注意点

分割は、生地を等分に切り分け、次の成形工程でパンを最終形に成形しやすくするための工程です。パンの成形は分割からはじまっています

  1. 成形工程での作業性をアップさせる

    分割した生地の断面は、非常に粘着性が高いです。そのまま、成形すると、べたつき、表面び凹凸ができてしまいます。

    成形前に丸めておくことで、表面に一皮膜がはり、後の成形工程での作業性がアップします。

  2. 成形をしやすいように生地をととのえる

    分割した生地は、後に成形しやすいように、丸めたり、なまこ(俵型)にします。

    例えば、長細いバゲットや、生地を巻いて作るチョココロネは、分割後は俵型にまとめます。そうすることで、成形時スムーズに理想の形に成形できます。

■ 分割・丸めの注意点

 計量は正確に

雑に計ると、仕上がりのパンの大きさにばらつきがでます。小さいパンは特に違いが顕著にでやすいので、正確におこなう。

 生地を張らせすぎない

ここでの丸めはあくまでも、成形に向けたアシスト的な丸めなので、生地を張らせすぎるのは禁物です。

ここで張らせすぎてしまうと、生地が緊張しすぎてしまい、次の成形工程で、生地が素直に伸びず、作りたい形状にしようとしても、生地が 縮んでしまいます。

そうなると、ベンチタイム(=緩ませる時間)を長くとる等調整が必要になります。繰り返しになりますが、ここでの分割丸めは、あくまでも成形のアシストです。

③ 手早く行う

生地の量が多い場合、最初に分割した生地と最後に分割した生地とでは、差が出てしまいます。

最初に分割丸めした生地は、最後の生地を丸め終わった頃には、緩み始めています。なので、正確に、手早く行い、生地間でのタイムラグをなるべく少なくしましょう。

ベンチタイム

分割丸めが終わったら、生地を緩ませる時間=ベンチタイムを、20分~取ります。※ベンチタイムの時間は生地によって多少異なります。

 では、ベンチタイムはどの程度とるべきなのか?

ベンチタイム終了の目安は、パンチでの、フィンガーテストと同じくらい緩んできたらOKです。

緩ませすぎると、丸めた生地がどんどん横にだれていきます。結果、焼成のさいに、窯伸びしずらい生地になります。

■ ベンチタイムを十分に取らないと…

ベンチタイムを十分とらないと、生地が分割丸めのダメージからリカバリーできず、傷みやすい状態のままです。

このまま、次の工程である成形に進んでしまうと、生地表面がちぎれたり、ごつごつしてしまいます(焼き上がりのパンもごつごつします)。

また、生地が張って緊張した状態にあるので、グルテンが伸びず、窯伸びしづらい生地になってしまいます。

成形

ベンチタイムが終了したら、いよいよ成形です。パンの焼き上がりをイメージして、楽しみましょう…!

成形は、生地作り最後の加工硬化を起こす工程です。

形を整えるのはもちろん、生地が最終発酵と焼成時の膨らみに耐えられるよう、生地を強化させるのも重要なポイントです

今回の食事ロールの成形は、シンプルな丸です。基本の形ですが、コツやポイントが盛りだくさんあるので、なるべく手の動き等がわかりやすいよう図解していきます。

※気軽に作りたいという方は、下記は読み飛ばし、次章「最終発酵(ホイロ)」に進んでいたでいてOKです。

成形したパンは、最終発酵と焼成時の膨張率を考えて、等間隔に天板においてください。生地同士の間隔が狭いと、生地がくっついてしまいます。

基本の食事ロールの丸め方

基本的におうちパン作りする際は、手で丸めて、おしり(とじ目)をきゅっと指でつまんであげればOKです。丸めた生地は、天板に等間隔においてくださいね。

下記の手順は、パン屋さんやより美しく丸め成形をしたい方向けです。

  1. 最初に分割丸めをした生地から、成形しましょう。

  2. 手のひらは常にドーム型にして丸める。生地をつぶさない&押さえつけない。親指と小指は、面台に常に密着させる。

  3. 生地を張らせる

    丸くなったら、小指側の手の側面で、生地外側を、張らせていきます。

    生地の面台に接している部分を、小指の付け根あたりで、斜め手前に引きつつ圧をかけることで、生地がピンと張ってくるのがわかります。

    ※この時、親指は面台から離れており、小指側の手の側面が面台に密着している状態です。この斜め手前に引いてくる動きを繰り返すことで、生地が勝手に回転しつつ表面の皮が張り、生地の1か所に”おしり”ができます。


    ★ポイント①きれいに成形できたものは、上からさわると、芯ができているのがわかります。

    これは、丸めて張らせているときに、生地の軸がぶれずに、均等に成形ができた証拠です。丸めているときは、地球の自転のように、一転を軸に生地が丸まるイメージで行います。

    ★ポイント②丸めているとき&張らせているときは、指は動かしません。

    あくまでも、ひら全体&手の側面の、凹凸のない部分で生地を丸めます。

  4. おしりをとじる。

    おしりがきれいにできなかったら、指でなんとなくおしりになっているところを、きゅっとつまんで、表面の膜を張らせてあげましょう。

  5. 生地は、天板に等間隔にのせ、最終発酵(ホイロ)を取る

一見簡単そうですが、きれいに丸めるのは難しいです。シンプルな形だからこそ、きれいに成形することで、仕上がりの品質がアップします。(わたしも最初はなかなかきれいにできなくて、よく怒られていました笑)

最終発酵(2次発酵・ホイロ)

ホイロとは、焼成前の最終発酵のことです。

【時間】90分~120分ほど
【温度】1次発酵と同じか、高めの32℃~35℃(湿度75%)
【注意点】生地を乾燥させない。

生地表面の皮が乾燥して、つっぱてしまうと、発酵でガスが生成されても、生地が均等に&のびのびと膨らむのを、じゃましてしまいます。乾燥はパンの大敵です。

最終発酵終了の見極め

  • 生地を触って確認

    フィンガーテストのように大胆にはできませんが、生地の表面を指で軽く押し、指の形が残っていればOKです。跳ね返ってきたらもう少し置きましょう。

  • 生地の表面が乾燥している

    乾燥は大敵ですが、焼成前の生地は、表面がやや乾いて膜が張っているような状態になります。

  • 膨張率を見る

    成形終了時より、~3倍の大きさになっていればOKです。
          

最終発酵の意味

  1. 成形で加工硬化をした生地を緩ませる(構造緩和)

    力が加わった生地は、グルテンが引き締まり、素直に伸びません。この状態で焼成しても、伸展性がなく、窯伸びしません。ボリュームの小さいパンになります。

    そのため、再び発酵ガスにより、グルテンを伸ばし、やわらかくします。そうすることで、火通りのよい、窯伸びする生地になります。

  2. 成形でガスが抜けた生地を、再び膨らませる

    成型した後は、生地中のガスが抜けた状態です。このまま焼いても膨らまないので、生地が再びガスを均一に保持した状態にもっていきます。

  3. 30℃+の環境におくことで、イーストの発酵と香り成分の生成を促す

    イーストの発酵が促進されることで、1と2の効果が得られます。また、時間を取ることで、香り成分が生成されます。

焼成

最終発酵を終え、いよいよ焼き上げていきます!

焼成のやり方と注意点

  1. 生地の表面に卵液を塗る(塗玉ぬりたま)

    生地の表面が乾燥した状態で塗玉します。

    夏場等湿気ている時は、少し乾燥させましょう。表面が湿っている生地に塗玉をすると、はけが生地に引っ掛かり、表面を傷めてしまいます。

  2. オーブンへつっこむ。

    【家庭用オーブンの場合】オーブンを必ず200℃に予熱し、200℃で焼成します。焼成時間は、10分~

    【パン屋】温度は、220/180、焼成時間は、6分→反転→2分~

  3. 生地が膨らみ、表面が茶色くなったらOK

    オーブンから取り出すさいは、生地の底の色も確認しましょう。生地の底も茶色く焼けていたらOK。均等に火が入っている証拠です。

  4. オーブンから出したら、ショックを与える

    ご家庭の場合は、作業台に濡れ布巾などをおき、かるく天板をこんこんと叩きます。

  5. 粗熱がとれるまでは、風とおしのよいところに置いておきます。

ワンポイントアドバイス①:窯出し後のショックで腰折れを防ぐ



オーブンから出したパンには、基本的にショックを与えます。そうすることで:

①パン中の水蒸気を外へ逃がすことができます。

水蒸気がパンの中にこもったままだと、水でパンの骨格を弱らせ、パンがしぼみやすくなります。特に食パンなどの場合、「腰折れ」といい、形がへしおれてしまいます。

②内気と外気を瞬間で入れ替えることができます。

窯から出したパンは熱で膨張しており、生地内の熱い空気が外の冷たい空気に触れることでしぼんでしまいます。

なので、ショックを与えることで、生地内に亀裂をいれ、強制的に中の熱い空気と外の冷たい空気を入替えます。

そうすることで、冷たい空気によりパンの骨格が瞬時に冷え固まり、形を維持することができるのです。

★ワンポイントアドバイス②:塗玉の代わりに牛乳を塗る

パンの焼成前は、大体塗玉をすることが多いですが、果たして塗玉は必要なのかと思うことがあります。

もちろん、塗玉をすることで、焼きあがったパンはとてもつやっぽく仕上がり、見た目は美しくなります。

でも、家でパンを焼く場合って、塗玉、絶対に余ってしまいますよね…

また卵アレルギーが気になる方もいるかと思います。そんな方に、おすすめしたいのが、塗玉の代わりに霧吹きor牛乳を塗ることです。

霧吹き(水の散布)は、つやつや感は期待できませんが、生地の表面に水気を軽くまとわせることで、窯伸びの補助はできます。

牛乳は、自然でマットなつやを出せるので、ナチュラル風なパンを作りたいときはおすすめです。卵アレルギーに配慮したパン作りの際も使えます。

自分が作りたいパンの見た目や、目的に合わせて、使い分けていただければと思います!

焼成の意味

オーブン内で、生地がパンに変化することを、「焼成反応」といいます。

  1. 発酵による炭酸ガスが、熱により、気化する

    ガスが膨張=窯伸びし、パンのボリュームがでます。

  2. イーストと酵素の働きをストップする

    イーストは、オーブンで加熱されているときも、ガスを発生し続けますが、イーストは60℃で死滅するので、そこで発酵がストップします。

  3. グルテンがかたまり、パンの骨格が出来上がる

    ガスが生地内で発生し続けることで、グルテン構造も一緒に伸びていきます。最後は加熱により伸びきったところで硬くなり、パンの骨格となります。

  4. パンに焼き色を付けて、香りと味が良くなる

    パンのクラスト(外側)は、カラメル化反応とメイラード反応(アミノーカルボニル反応)によって、焼き色が付きます。

    カラメル化反応は、糖が190℃前後で加熱されることで、茶色くなり、風味と味が向上する反応です。グラニュー糖を鍋で加熱すると、キャラメルができる原理と一緒です。

    一方、メイラード反応は、160℃で、生地内のたんぱく質と、還元糖(ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖)が一緒に加熱されることで起こります。焼き色を生成するメラノイジンと、香り成分が生成されます。

  5. 小麦粉のでんぷんが、消化しやすい状態になる

    加熱することで、でんぷんがアルファー化(糊化)され、糊状になります。でんぷんの分子と分子がゆるみ、そこへ水が入りこむことで、柔らかくなり、消化しやすい状態になるのです。(炊き立てのお米も同じ状態です)。

まとめ

いろいろ細かく書きましたが、パン作りの工程のポイントをまとめると:

  1. 生地に力を加える「加工硬化」と、緩める「構造緩和」の繰り返しで、生地ができていく。
  2. イースト(パン酵母)による発酵活動によって生成されたガスとアルコールが、グルテン構造(風船)に包まれることで、膨らんで窯伸びするおいしいパンが焼ける。
  3. どの工程でも、常に「均等」を意識する。

最後に…

本記事では、それぞれの工程の意味と注意点を中心に解説しました。

工程の意味や仕組みを理解することで、生地作りがより楽しくなるかと思います。それぞれの工程の詳細については、これから随時追記していこうと思うので、あわせてご参照ください。それでは今日も、パン作り楽しんでください:)

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コメント一覧 (2件)

  • 初めて海外のパン工場に赴任した際に、最初に覚えたのが数字でした。
    パンを作るには、「正確な計量」、「捏上温度」、工程を管理する「時間」などすべてに数字が必要でした。
    日本では、重さはグラム(g)、キログラム(Kg)で行いますが、アメリカの場合ポンド(Lbs)とオンス(oz)でしかも16進法というややこしいものでした。温度も日本では摂氏(℃)ですが、アメリカでは華氏(℉)とまったく数字が異なり、苦労したことを思い出しました。

    • コメントありがとうございます。海外のパン工場に赴任したことがあるのですね。そうですね、海外だと数字の単位が日本のものと異なり、慣れるまで大変そうですね。数字以外にも、日本といろいろ違うことも多いのでしょうか、気になります。

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