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ベンチタイムとは?パンの成形で失敗しないための重要な工程【効果や注意点を解説】



パン作りでは、生地を休ませるタイミングが何回かあるけど、ベンチタイムは1次・2次発酵と違ってすごく短いですよね、なぜでしょう?短いけど、焼き上がりに大きな差がでる、ベンチタイムについてやさしく解説します:

こんな疑問にお答えします:

    • ベンチタイムって何?
    • ベンチタイムなしor長すぎると焼き上がりはどうなるの?
    • ベンチタイムの目安、注意点や、見極め方は?


地味だけど重要な意味と役割があるベンチタイムについて、しっかり理解できれば、

成形がしやすくなり、きれいな形のパンが焼けるようになります。なぜなら、ベンチタイムは成形の作業性を良くする前準備「プレ成形」の工程だからです。なので、自分のパンの仕上がりに納得できない方も、ぜひ一読ください。
 
 
それでは、さっそく見ていきましょう:

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目次

 

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1.ベンチタイムとは、生地を休ませる時間

 


ベンチタイムとは、分割・丸めをした後の生地を休ませる時間のことです。通常、ベンチタイムをとった後に成形を行います。


下図がパンの工程ですが、ベンチタイムは、丸めと成形の間に10分から20分、常温でとる生地の休憩時間です。




すごく短いベンチタイムですが、この間に生地中のグルテンにさまざまな変化が起こります。

☞あわせて読みたい:
食事ロールのレシピをもとに、パン作りの工程を解説してます:
パンの作り方:計量から焼成まで【基本の工程をやさしく図解】

 

2.ベンチタイムの目的

 


ベンチタイムの目的は、分割・丸めで引き締まったグルテンを再びゆるませ、生地の伸展性を復活させ、成形しやすい状態に整えることです。



1次発酵を取った後、生地を分割して1回丸めますが、この時の生地はひきしまっていて、弾力があるけど、伸展性(のび)がない状態です。この状態のまま、成形をすると生地が成形の力(伸ばしたり、転がしたり)に耐えられず、表面が切れてしまいます。また伸ばしても、弾力が強いのですぐに縮んでしまいます

これを回避するために、ベンチタイムを取ります。



2-1.分割後の生地は、伸びない



ベンチタイム中、生地のなかで何が起きているのかを理解するため、パン作りの工程についてざっくり補足します:

パン作りの工程は、生地に力を加える工程(加工硬化)と、生地をゆるませる工程(構造緩和)の繰り返しです
。下図のように、ミキシングで力が加わり、1次発酵で緩ませ、パンチで力をいれ、また休ませ、分割・丸めで力が加わり、ベンチタイムでゆるませ、成形で力が加わり、最後は2次発酵でゆるませ、焼成につなぎます。




生地に力が加わると、生地が加工硬化をおこし、パンの骨格であるグルテンが複雑にからまりあい、素直に伸びない状態になります。

さらに、分割工程では生地をスケッパーやカードで切るので、グルテンが損傷し、配列が乱れてしまいます。損傷したグルテンは、伸びることができません。そこで、一度生地を休ませる時間を取ることで、グルテンの絡まりをゆるめ(構造緩和を起こす)、グルテン結合を修復することで、再びよく伸びる状態に生地を持っていきます。これがベンチタイムです。




2-2.生地の伸びを取り戻すため、休ませる



ベンチタイムを取ることで、生地内では次のような変化が起こります:

  1. グルテン結合が修復され、伸展性がでる

    グルテンは損傷しても、置いておくと再び結合するので、ベンチタイムを取ることで分割で壊れたグルテンを回復させることができます。伸展性がある生地は、成形で伸ばしたり丸めたり、力を加えても表面が荒れたり縮んだりしません。そのため、少ない手数で生地をイメージした形に成形することができます。

  2. 発酵ガスが発生して、グルテンのからまりがゆるむ

    休ませている間に発酵ガスが発生します。発酵ガスが、絡まったグルテン構造に入り込むことで、グルテンの絡まりがゆるみ、成形時の作業性がアップします。無理に力を加えなくても、生地は伸びるので成形の仕上がり、焼き上がりの見た目がアップします。
 

このように、ベンチタイムは、成形工程の作業性をアップさせる効果があります。短いですが、焼き上がりの見た目を左右する重要な時間だということが分かります。

☞あわせて読みたい:
パン作りの工程を詳しく解説:パンの作り方:計量から焼成まで【基本の工程をやさしく図解】

 

 

3.ベンチタイムなしor長すぎると、どうなる?



成形の作業性アップの効果あるベンチタイムですが、ベンチタイムを取らなかった場合と、長く取りすぎてしまった場合、パンの仕上がりにどのような変化があるのでしょうか?


■ ベンチタイムを取らないと

ベンチタイムを取らない場合、伸びない生地を無理やり伸ばして成形することになるので、生地表面が切れて、荒れてしまいます。

■ ベンチタイムが長すぎると

逆に、長く取りすぎてしまうと、発酵ガスがどんどん生成されてしまうので、成形時に大きなガスを抜くことができず、ガスが生地内にのこってしまいます。焼成後、パンの内相には大きな穴あきが発生してしまう可能性が高くなります。



■ ベンチタイムなしvs長いの比較表

  ベンチタイムなし
(0分)
ベンチタイム長い
(50分)
ボリューム ボリュームが出にくい ボリュームは出やすいが、生地がダレ、焼成時生地が横に広がりやすい
表面 ツヤがなく、成形時に荒れた表面がそのまま残ってしまう 過発酵の状態に近くなるので、焼き色が薄くなりがち(イーストがパンに焼き色を付ける糖分を、発酵活動で消費しすぎてしまうため。)
内相 グルテンが傷んでいるので、膨らまずつまっている ベンチ後の成形でガスを抜ききれないため、穴あきが発生しやすい

 

 

 

4.ベンチタイムの時間、温度、注意点



 時間の目安

小物生地(50~150g)で10分~15分、食パンやバゲットなど大物生地(250g~)では15~20分、長くても30分以内に収めてください。

■ 温度の目安

常温でOK、冬場など室温が極端に低い場合はホイロか、温かい場所(25~28℃)においてください。

■ 注意点

① 分割・丸めをした生地の順番を覚えておく

例えば、ロールパン10個など少量の場合はそこまで気にする必要がないですが、30個、50個、100個と作る場合、最初に分割・丸めした生地と最後に分割・丸めした生地とでは、発酵の進み具合に差がでてしまいます。

なので、ベンチタイム終了後は、最初に分割した生地から成形をしたいので、順番を覚えておきましょう。生地は、必ず左から右においていくなど、自分のルールを作って、なるべくすべての生地を同じ状態で窯入れまでもっていきましょう。

② 乾燥させない

どの工程にも通じますが、乾燥はパンの大敵です。濡れふきんをかぶせる、タッパーにいれてふたをする、ラップするなど、なんでもよいので、乾燥を防ぎましょう。乾燥してカビカビになった生地は、異物混入になってしまうので、要注意です。

 

■ 補足:成形は、分割からはじまっている

成形の作業性をアップさせるベンチタイムは大切ですが、ベンチタイム前の分割・丸めもきれいに成形するためにはとても重要。分割・丸めは成形のアシストをする工程で、プレ成形と考えるとよいです

例えば、食事ロールを作る場合は、分割・丸めをしますが、バゲットやチョココロネなど長細いパンを作る場合は、分割後まるではなく、なまこ型にまとめます。

さらに言うと、バゲットを作りたい場合、分割時に生地の厚みを均等にし、なるべく長方形に分割します。そしてそれをなまこ型にしてベンチタイムを取ると、成形が圧倒的にやりやすくなります。均等ななまこ型になっているので、成形時に形を仕上げやすくなり、きれいな焼き上がりになります。

 

 

 

5.ベンチタイム終了の見極め方



ベンチタイムの終了は、大きさと触った感じで判断します。

■ 大きさ

ひとまわり弱大きくなったかな、というくらいが目安です。ベンチタイムの目的は、発酵ではなく、グルテンの伸展性を回復させることなので、ベンチタイム前よりやや大きくなった程度でOKです。ここで2倍ちかく大きくなるまで待つと、過発酵ぎみになり、焼き上がり大きな穴あきが発生しやすくなるので注意です。

■ 指の跡

フィンガーテストのように、生地表面を押して指の跡がのこる程度まで緩めばOKです。大きい生地の場合は、手のひら全体で生地に触れて生地の弾力をたしかめてください。跳ね返りが強くなく、芯がのこっていなければOKです。

 

6.まとめ

 

  1. ベンチタイムとは、分割・丸めをした後の生地を休ませる時間のこと。

  2. ベンチタイムの目的は、分割で壊れたグルテン結合を修復し、丸めで引き締まったグルテンを再びゆるませ、生地の伸展性を復活させ、成形しやすい状態に整えること。成形の作業性がアップすることで、手数を少なくイメージ通りの形を作ることができ、焼き上がりの見た目もきれいになる。

  3. ベンチタイムは、生地の大きさにより10~20分、常温でとる(長くても30分以内)。この時、生地が乾燥しないように注意する。

  4. ベンチタイム終了の目安は、生地の大きさがひとまわり大きくなり、指で押したときに跡がのこる程度でOK。あくまでも、グルテン結合と伸展性の回復が目的なので、生地の膨らみ具合(発酵)はそこまで気にしなくてよい。

 

最後に…



本記事では、地味だけど重要な、ベンチタイムの意味と効果について解説しました。成形がきれいにできないな、という方は成形工程だけではなく、その前の分割・丸め・ベンチタイムにも注目してみてください。

これらの工程は、成形の前準備、「プレ成形」だというイメージで作業をし、思い描いた形をきれいに作るためには、どの程度ゆるませるか(ベンチタイム)、どのようにまとめるのか(丸め?なまこ?)、どのように分割しよう(四角く分割?長細く分割?分割時の生地の厚みは?)、と逆算して考えると、成形の質と見た目もよくなるはず。

すべての工程はつながっています。それでは、今日もパン作り楽しんでください:)

 

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