パンに塗り卵(ぬりたま)は必要?卵ではなくミルクを塗って代用するのもあり

パンに塗り卵(ぬりたま)は必要?卵ではなくミルクを塗って代用するのもあり
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塗り卵(ぬりたま)とは、焼成前のパンの表面に溶き卵をはけで塗る作業のことです。

溶き卵をパンの表面に塗ることで、焼き上がりのパンに美しいツヤを出すことができます。

たしかに見栄えはきれいになりますが、個人的にはどのパンにも塗り卵をする必要はないと考えています。

パン生地によっては、溶き卵の代用でミルク塗ることで多少つやを出すことも可能です。

本記事では、

〇 塗り卵の効果ってなに?
〇 どのようなパンには不要なのか?
〇 ミルクと溶き卵のツヤの違いは?
〇 塗り卵・塗りミルクのやり方のポイント

について、パン屋で6年働いていた経験と個人的な意見も交えつつ、解説します。

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目次

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そもそも、なぜ塗り卵をするのか?

塗り卵の効果は、主に2つです

  • つや出しによりパンの見た目を良くする
  • 焼成前にパンの表面に湿度を与え、生地をやわらかくすることで、オーブンの中で生地が窯伸びしやすくなる

2番目の窯伸び(オーブンの熱で生地が膨張すること)については、蒸気・スチームを利用することでも効果を得られます

例えば、塗り卵をしないバゲットやカンパーニュなどは、蒸気をパン表面にふきつけることで、生地の膨張を促します。

なので、「パンの見た目を良くする」というのが、塗り卵ならではの効果だと言えます。

塗り卵が不要な場合とは?

パンに塗り卵(ぬりたま)は必要?卵ではなくミルクを塗って代用するのもあり

個人的には、生地に卵を使用していないのであれば、塗り卵はしなくてもよいと思っています。

例えば、バンズやコッペパン、シンプルな食事ロール、クロワッサンなどです。

理由は、

  • 材料はシンプルなほうがいいから

    特に毎日食べるような食事ロールやコッぺなどは、材料をシンプルにしたほうが、毎日作りやすいし家族みんなが食べやすいですよね。

  • 卵アレルギーの方への配慮

    せっかく生地に卵を使っていないのに、塗り卵をしてしまったら卵アレルギーの方が食べられなくなるから

  • 家でパン作りをする場合、塗り卵が使いきれずにあまるから

    家で少量のパンを作る場合、塗り卵はまず使いきれないですよね?
    あまったのを他の料理に使うのもいいのですが、ちょっと手間だと感じます。

逆に、卵をたっぷり含む菓子パンやブリオッシュなどは、塗り卵をしてあげるととってもきれいになるので、塗るようにしています。

塗り卵をミルクで代用してみる

パンに塗り卵(ぬりたま)は必要?卵ではなくミルクを塗って代用するのもあり

冒頭で、塗り卵の効果はツヤ出しと窯伸びのためと説明しました。

窯伸びについては、水でも同じ効果が得られます。

例えば、バゲットなどは焼成前に蒸気を入れることで、オーブンの中で生地はふっくら膨らみます。

また、蒸気(水)は、ハード系のパンの表面にツヤやテカリを出すことができます。

でも、食事ロールやコッペパンに霧吹きしてもツヤの効果は期待できません

そこでおすすめなのが、塗り卵の代わりにミルクを塗ってあげることです

ミルクと溶き卵のツヤの違いを比べてみた

卵ほどのツヤは出ませんが、パンの表面に自然なつやを出すことができます

下の写真の、左が塗り卵、真ん中がミルク、右が水(霧吹き)して焼いたコッペパンです。

パンに塗り卵(ぬりたま)は必要?卵ではなくミルクを塗って代用するのもあり

素朴なイメージがあるコッペパンなどは、むしろミルクの落ち着いたつやのほうが合ってるのではないでしょうか?

どうでしょう?

塗り卵・塗りミルクのポイント

卵を塗るにせよ、ミルクを塗るにせよ、塗り方にポイントがあるので2つご紹介します。

乾いたパンの表面に塗る

塗り卵・塗ミルクは、生地の表面が乾いている状態で塗ってあげます

パン生地の表面が湿っている状態で塗ってしまうと、次のようなデメリットがあります。

  • ツヤの効果がぼやけてしまう
  • ②生地の表面が水分過多になり、生地表面のグルテン結合を弱くしてしまう

②が少し難しいと思うので、解説していきますね。

グルテンは、パンの骨格を支える構造のことです(水と小麦粉のたんぱく質をよく捏ねることで生成されます)。

グルテン構造

グルテンは網目の構造をしており、それぞれの網目の中に炭酸ガスが保持されることで、パンの形が維持され、パンが膨らみます。


グルテン構造


しかし、水分過多によってグルテン結合が弱くなると、焼成時に生地内のガスが膨張した際、網目が破れてしまいます。

網目が破れるということは、パンのキメが粗くなるということです。

その結果、下の写真のように生地表面がぽつぽつしてしまう”フィッシュアイ”や”なし肌”や”火ぶくれ”といった現象が出てしまいます

特に夏など湿度が高いときは、焼成前に生地の表面を乾かしてから塗ることが超重要です

生地の表面を手でさわっても、くっつかないくらい乾かしましょう。


ハケは寝かせて使う

ハケを使うときは、必ずハケを寝かせて使います。

パンに対して直角に塗ると、ハケの先端がパンに表面に食い込んで跡になってしまいます。

また、ハケが生地の表面に”ひっかかる”と、生地表面のガスがぷくっと膨れることがあります(あるいはしぼんでしまう)。

はけの力で生地が圧迫され、生地内のガスがグルテン構造がよわいところへ移動してしまうからです。

その結果、ガスが集中したところだけが焼成時にふくれて、火ぶくれします。

最終発酵後のパン生地の表面はやわらかくて繊細なので、やさしく、丁寧に塗ってあげてくださいね!

塗り卵のやり方
出典:https://www.cotta.jp/special/article/?p=16883

まとめ

本記事では、塗り卵の効果についてお伝えしたうえで、塗り卵って本当に必要?というテーマでまとめてみました。

卵をふんだんに使った生地や、特別な日のパンで見た目を良くしたいのであれば、塗ったほうがいいと思います。

でも、「より少ない材料で毎日食べられるパンを作る」といった観点では、卵を含まない生地には、塗り卵はしなくてもいいと思います。

レシピ本には大体、「焼く前に溶き卵を塗る」という工程が記載されていますが、「それ本当に必要な工程?」と考えることも大事なのかなぁと思います。

塗り卵については、色々考え方があると思うので、本記事が参考になればうれしいです。

それでは今日もパン作り楽しんでください:)

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