外はざっくざく、中はとてもやわらかくて軽い、オランダのタイガーブレッドです。発酵時間が短めなので、3時間半ほどで簡単につくれます。
中にクリームチーズを包むと、焼き立てはチーズのとろとろ感とパンのざくざく感がとってもおいしいです。また、生地自体がとてもシンプルなので、サンドウィッチにするのもおすすめです。
1.お国はオランダ、Netherlands
タイガーブレッドは、オランダ出身のパンです。現地では、tijgerbrood (タイガーローフ)やtijgerbol(タイガーバン)と呼ばれています。このパンは、オランダでは1900年代初頭から作られており、アメリカはサンフランシスコ(ベイエリア)に渡ったころには、”Dutch Crunch”と呼ばれるようになり、現在もその名称で親しまれています。
一番の特長は、ひびが入ったクラストのざくざく感と、とてもやわらかい身の食感のギャップです。パンの焼成前に、米粉とゴマ油が入った上掛け(トッピング)を生地に塗るのですが、この上掛けが焼成時に乾燥し、ひび割れ、独特な見た目と食感を作ります。
今回はロールのレシピですが、海外では大きいローフで焼いて、スライスして食べたり、コッペパンの形に焼いてサンドウィッチにして食べてりもします。自分好みにアレンジしてぜひ食感のギャップをたのしんでください:)
2.材料
【お国】オランダ
【焼き上がり】50g ×9個
【総カロリー】≒1202kcal
クリームチーズ入り1個:246 kcal
プレーン1個:134kcal
【作業時間目安】3時間30分ほど
【道具】カード、めんぼう、ゴムベラ、
へら、ホイッパー
【製作日の気象条件等】7月 AM 🌡20℃
💧86% ☁曇り
■ 材料一覧
<生地>
・ 強力粉 125g(50%)
・ 薄力粉 125g(50%)
・ イースト 4g(1.6%)
・ 牛乳(肌温) 120g(48%)
・ 水(肌温) 60g(24%)
・ 砂糖 8g(3.2%)
・ 塩 5g(2%)
・ 溶かしバター 8g(3.2%)
生地量合計: 455g
⇒かっこ内の%は、ベーカーズパーセントです。( 0.1gは四捨五入)
<上掛け>
・ 上新粉 90g
・ イースト 4g
・ 砂糖 8g
・ 塩 2g
・ 水(ぬるま湯) 90g
・ ごま油 or サラダ油 8g
<クリームチーズフィリング(4個分)>
・ クリームチーズ 130g
・ パルメザンチーズ 10g
★下準備
・ クリームチーズを常温に戻しておく
■ 日清製粉「カメリヤ」(強力粉)
初心者でも使いやすい定番の小麦粉。食パン、菓子パン、総菜パンと幅広く利用可能です。
※「スーパーカメリヤ」という小麦粉もあるので、ご購入の際は商品名の確認をお願いします。
■ 日清製粉「フラワー」(薄力粉)
本記事では、歯切れのよい食感を出すために配合しています。
■ サフ・インスタントドライイースト(赤)
予備発酵不要なので、粉に直接まぜたり、振りかけて使用できます。糖分12%ほどの低糖生地向けのパン酵母です。
■ クリームチーズ フィラデルフィア
定番のクリームチーズ。フィリング作りなどで大量に使うさいは、個包装ではなく、次のよなボックスタイプのもが使いやすく、おすすめです。
3.作り方
<生地をつくる>
- 粉、塩、砂糖、イーストを、ボールに入れる。だまにならないよう粉類をさっと混ぜ、中心に土手を作り水と牛乳を投入する。カードを使い、まわりの粉と液分を切るように混ぜていく。
【土手を作ってい液分を投入】
【カードであわせる】 - 粉けがなくなったら、溶かしバターを入れて、カードで切るように合わせていく。
- まとまったら、生地をボールから出し、手のひらと付け根で捏ねる。生地を面台にこすりつけて、たたみ、角度を変えてまたこすりつけてたたみを繰り返す。※液分が多い生地なので、最初はねばねば、ゆるい状態です。15分ほどこねると、だいぶまとまってきます。がんばって!
【最初はねばねば】
【15分後】 - 今度は、生地を面台にたたき、たたみ、またたく動作を繰り返す。5分ほどすると生地がしっかりつながり、表面がなめらかになる。生地をまとめてボールに入れ、ラップをする。
<1次発酵>
【発酵の目安】
・常温で~60分
★ここで、クリームチーズフィリングを作る。クリームチーズとパルメザンチーズをなめらかになるまで合わせて、冷蔵庫に一旦しまう。
・2倍以上に膨らみ、フィンガーテストで穴が戻ってこなければOK:
<発酵前>
<発酵後>
<フィンガーテスト> - 生地を面台に出し、大きいガスを抜く。生地の形と厚さを均等に整え、
50g×9個に分割する。 - 生地を手のひらでまるめて、ベンチタイムを取る。
<ベンチタイム>
・常温で~30分
・生地を触ったときに、反発してこなければOK
<ベンチ前>
<ベンチ後>
<成形> - まず、プレーン(5個)から成形する。生地をたたき、大きいガスを抜いてから丸める。おしりをきちんと閉じ、天板にのせていく。
- クリームチーズの生地は、平たくし、そこに1つ当たり35gのクリームチーズフィリングをヘラ等を使い、包む。おしりをしっかり閉じる(閉じがあまいと焼成時チーズがもれます)
【35g】
【ヘラで包んでいく】
【おしりは閉じる】
<最終発酵>
【発酵の目安】
・常温で~30分
<発酵前>
<発酵後>
★発酵中にオーブンを200℃に予熱する。
★最終発酵に入ったらすぐ、上掛けを作る:粉類をあわせ、ぬるま湯を入れてよく混ぜる。油脂を入れ、なめらかになるまでよく混ぜる。20分発酵させると、表面がもっこりしてくる。
【とろとろするまでよく混ぜる】
【発酵20分後】
<焼成> - ダッチの上掛けの発酵が終了したら、ホイッパーで一回なめらかになるまで混ぜる。ゴムベラで、上掛けを生地の上にたっぷり、均等にかける。
★ 生地に上掛けを多めにのせ、流れてきた上掛けを生地の横に流していくようにヘラで塗ると焼き上がりがキレイになります。
【ホイッパーでなめらかにする】
【上掛けを多めにのせる】
【生地の横にも上掛けがくるように】
【焼成目安】
200℃ 20分→天板を反転させる→180℃ 15分
★焼き色がしっかりつくまで焼いたほうが、よりざくざくになります。
焼きあがったら、軽くショックを与えて完成!
こちらがプレーンの断面です。外はざくざくですが、中の生地は牛乳入りなので、とてもソフトでしっとりしています。
クリームチーズ入りのほうは、焼き立てはチーズフォンデュみたいにチーズが温かく、とろとろしています。召し上がれ:)
タイガーブレッドの醍醐味である、上掛けのざくざく食感は、1日経つとどうしても、しっけてしまいます。保存する場合は、粗熱を取った後、しっかりラップをし、ジップロック等に入れましょう。食べる前に、オーブンやトースターで湿気を飛ばすと、食感が復活します。
4.タイガーブレッドのおとも
プレーンのタイガーブレッドは、そのままでも、もちろんおいしいですが、サンドイッチにすると、ザクザク食感でおいしくいただけます。ザクザクしていますが、バゲットのサンドイッチと違って、軽くペロッと頂けます。
とてもシンプルで軽いパンなので、バターを冷たいまま厚めにスライスして、ハムを挟んだ「素材の味を活かす系のサンド」がおすすめです。
バター感とハムの塩気がおいしいです。召し上がれ:)
コメントお待ちしてます!
コメント一覧 (2件)
タイガーブレッド(ダッチクランチロール)の定番のお相手はクリームチーズが多いですね。アメリカ滞在時もダッチブレッドの名前で見かけることがありました。クリームチーズにパルメザンチーズを加えるレシピは初めて知りましたが、チーズの風味を際立たせるにはパルメザンチーズはとても有効ですね。バターとハムのサンドイッチ、美味しいでしょうね。
コメントありがとうございます!やはりチーズがおいしいですよね。焼きたてはカリカリはごたえもあり、定期的にたべたくなるパンです。サンドイッチ、おいしかったです:)