これからパン作りを始めたい方むけに、これさえあればOKの道具一式をご紹介します。パン屋や製パン学校でも使われているおすすめの道具を中心に、次のような疑問にお答えします。道具を買い替えようと思っている方もぜひ参考にしてください。
- パン作りを始めるのに、最低限、必要な道具はなに?
- 何を(どのメーカーのを)買えば間違いないか?
- いくらかかるのか?
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1.これさえあればOK、道具一覧と予算
これからパン作りを始めようという方は、次の6つの道具をとりあえずそろえればOKです。
- ボール 大中小
- デジタル量り
- カード・スケッパー
- はけ
- 波刃(パン切包丁)
- めんぼう
- 余裕があれば買いたい:温度計
■ 予算
・最安:6,000~7,000円
・品質重視:15,000円ほど
※本記事に記載している価格は、20年9月時点のものです。
上記の道具のうち、デジタル量り以外は100円ショップで基本的に買えます。なので、予算をぜったいに抑えたい場合は、6,000~7,000円ほどで一式そろえることが可能です。
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食事ロールのレシピをもとに、パン作りの工程を解説してます:
パンの作り方:計量から焼成まで【基本の工程をやさしく図解】
☞はじめてでも作りやすいレシピ:
1.基本のフォカッチャ【簡単・ふわふわ・肉厚】
2.ザクザク、タイガーブレッド【とろりクリームチーズ入り】
1-1.ボール
■ 用途:
粉などの材料の計量や、生地をこねたり、発酵させるときに使います。
■ 便利なサイズ:
- 大(直径24~25cm)のボールで、生地1kg(丸パン30個分ほど)くらいまで捏ねられます。
- 中小サイズのボールもあると、水やイーストなど分量が少ない材料の計量時に便利です。
■ 価格帯:
100~500円
■ おすすめのボール:
【形】
ボールの底がフラットなものを選ぶと、ボールの中で生地がこねたり混ぜたりしやすく、使い勝手がよいです。100円ショップなどの低価格のボールは、底がぼこぼこしているものが多いので、買うときはチェックしてみてください。


【素材】
ステンレスのものでもOKですが、透明のポリカーボネート製のものだと、横から発酵具合が見れるので、とくに初心者におすすめです。レンジでチンもできるので、レンジの発酵機能でパンを発酵させる場合や、パン以外の料理でも活用できます。


1-2.デジタル量り
■ 用途:
材料の計量や、生地の分割のときにつかいます。パン作りでは、少ない分量をはかることが多いので、他の道具は安くすませても、デジタル量りだけは品質のよいものを選ぶのがおすすめです。パン作りでは計量は命です。
■ 価格帯:
5,000円前後
■ おすすめのはかり(プロも使用):
【仕様(タニタHPより抜粋)】
【タニタ】デジタルクッキングスケール KD-321 (シルバー)
計量範囲 | 0 ~ 3000g |
最小表示 | 1g 微量モード:0.1g (0~300g) 0.5g (300~1500g) |
商品寸法 | 幅 150mm × 高さ 35mm × 奥行 210mm (ステンレス皿:約 幅148×奥行148mm) |
本体重量 | 約 573g(乾電池、ステンレス皿含む) |
その他 | ステンレス皿はとりはずして洗える |
- イースト(パン酵母)を0.1g単位で正確に計れる。パン作りはもちろん、細かい計量があるお菓子作りや、普段の料理でも大活躍します。
- 最大3kgまで計量できるので、ボールをのせたまま、粉やその他の材料を計量できる。
- コンパクト。引き出しにしまえるサイズ感。
- わたしも働いていたパン屋3件でタニタのデジタルスケールを使っていました。パン屋で毎日酷使しても長持ちして、安心の品質です。
- お皿がとりはずせるので、そうじもらくちんで衛生的。
上記おすすめのシルバーのはかりの類似製品では、下記のホワイトのはかりもあります。※こちらも、0.1g単位ではかれます:
【仕様:(タニタHPより抜粋)】
【タニタ】デジタルクッキングスケール KD-320 (ホワイト)
計量範囲 | 0 ~ 3000g |
最小表示 | 1g 微量モード:0.1g (0~300g) 0.5g (300~1500g) |
商品寸法 | 幅 150mm × 高さ 34mm × 奥行 210mm (計量皿:約 幅140×奥行140mm) |
本体重量 | 約 445g(乾電池含む) |
1-3.カード・スケッパー
■ 用途:
【カード】
樹脂製でゴムベラのように曲げられるので、材料をまぜる、ボールでこねた生地をあつめる、生地を分割する、作業台にこびりついた生地をそぎ落とすなど、さまざまに活用できます。パン作りには絶対にかかせない道具です。
【スケッパー】
ステンレス製で、強度があるので大きい生地や硬い生地の分割に向いています。ご家庭で作る分にはカードがあれば十分です。
■ 価格帯:
100~600円前後
安いカードは、しなりが少なくかたいものが多いので購入前にかたさチェックできそうだったらしてみましょう。
しなりが少ないと、ボールに張りついた生地をそぎ落としずらくなります。一方、かたさはあるので分割はしやすいのかなぁという印象です。
1-4.はけ
■ 用途:
焼く前の生地に、つや出しのため卵や牛乳をぬるさいに使います。やわらかいはけを使うと、生地にダメージをあたえずにきれいに塗ることができます。
■ 素材:
一般的な山羊毛のはけと、シリコン製のものがあります。塗りやすさは山羊毛のほうがよいですが、お手入れはシリコン製のはけが◎です。
また、シリコン製のはけは焼き上げたパンの仕上げにも活用できます。(例えばフルーツに仕上げ用のシロップをぬったり)
■ 価格帯:
山羊毛:300~800円前後
シリコン製:800~1,500円前後
■ 山羊毛のはけの注意点:
- 使った後はよく洗って乾燥させる。山羊毛のはけは、乾燥しずらく雑菌が繁殖しやすいので、衛生面は注意です。
- 手入れを怠ると、生魚のような異臭が発生します。
【対策】
いやな臭いがついてしまったら、一晩、塩水につけておくと雑菌の繁殖をおさえられます。 - 安いはけや古いはけは、毛が抜けやすくなるので、異物混入に注意する。
■ おすすめのはけ②(シリコン製):
■ パン屋でも使用されているはけ:
■ シリコン製のはけのおすすめポイント:
- 衛生的。洗剤を使ってばしゃばしゃ洗えて、すぐ乾燥するので、清潔にたもてる。
- 異物混入のリスクが少ない。通常のはけのように、毛が抜けがないく、混入しても、シリコンに色が付いてるのですぐ気づける。
- 仕上げにも使える。たとえば、フルーツデニッシュのフルーツにつや出しでシロップをぬるさいにも使用できる。
■ シリコン製のはけの注意点:
- 慣れるまで塗りずらい。
- 生地の表面を傷つけやすい。しなりが山羊毛のものと比べると劣ってしまうので、塗るときは力加減を気を付ける。
1-5.波刃(パン切包丁)
■ 用途:
パン専用の包丁です。特徴として、刃が波のような形をしています。(なので「なみば」といいます)
■ 価格帯:
ピンキリですが、おすすめしているのは1,000~6,000円。
■ おすすめのパン切包丁①:ビクトリノックスのブレッドナイフ
■ 製品情報:
【刃の長さ】
約21cm
【メーカーについて】
ご存じの方も多いと思いますが、ビクトリノックスはマルチツールで有名なスイスのメーカーで、ナイフ、カトラリー、トラベルギア、時計など幅広く手掛けています。
ビクトリノックスの刃物系は、切れが味がとてもよく、長持ちします。品質もよく、あこがれの製品です。余談ですが以前、職場でビクトリノックスのブレッドナイフが導入されたとき、ちょっとした歓声があがりました。VIPのお客さんのパンは縁担ぎでビクトリノックスのブレッドナイフでスライスしていました。力をいれなくても断面がきれいに切れます。
わたしも、パン切包丁のほかビクトリノックスのトマト皮用のピーラーを持っていますが、切れ味がよく長持ちしてるので、安いものを買うより結局コスパはいいのかなと思います。
【参考】
メーカーHPはこちら
■ おすすめのパン切包丁②:貝印のブレッドナイフ
■ 製品情報:
【刃の長さ】
約21cm
【メーカーについて】
こちらもご存じの方多いと思います。岐阜県の有名な刃物のメーカーです。ピーラーとか最近話題になっていますね。刃物のメーカーのパン切包丁なので、切れ味がよく、焼きたての柔らかいパンもきれいにスライスできます。
貝印では、パン包丁にほか本記事でご紹介したように、カードやはけなど製パン道具も作っています。安心で、高品質で、価格もお手頃なので、そろえて買いやすいです。
【参考】
メーカーHPはこちら
1-6.めんぼう
■ 用途:
生地を伸ばしたり、ガス抜きをするさいに使用します。
■ 素材:
【プラスチック製】のめんぼうは表面にぼこぼこした加工がされているものが多いです。そのため、生地がくっつきにくく作業も多少しやすくなります。衛生的にも◎です。
【木製】のものは重みがあるので、大きい生地をのしやすいです。洗った後はしっかり乾燥させてください。
■ 価格帯:
100~1,000円前後
1-7.余裕があれば買いたい:温度計
■ 用途:
仕込みの水や、捏ねあがった生地の温度をはかります。毎日、仕込み水や生地の温度を記録するパン屋も多いです。
パン屋では必須のアイテムですが、パン作りってどんなものか知りたい初心者のかたなら後から買ってもぜんぜんよいアイテムだと思います。
■ 価格帯:
1,000~5,000円前後
■ おすすめのデジタル温度計:

■ おすすめポイント:
- やはり測る道具は、タニタのものが安心です。
- 0.1℃単位で温度が表示される。
- 防水
- 製パン学校でも使用されている。
■ デメリットなど:
- 強いていあげるなら、電池がボタンなので電池交換のときはねじまわしが必要なので、すこしめんどう。
2.最後に…
パン作りを始めたいという方向けに、必要最低限のおすすめの道具をご紹介しました。
基本的には100円ショップなどで安く手に入るアイテムが多いので、気軽にそろえやすいですよね。道具はこだわればきりがないので、最初は手軽なものを使って、徐々に自分好みのこだわりアイテムを見つけていくのもよいと思います。ただ、はかりだけは最初にちゃんとしたものを買うのを強くおすすめします。パン作りは計量が命です。
下記に、パン作りの工程をかみ砕いて解説した記事と、かんたんなレシピのリンクを記載したので、こちらもぜひ参考にしてください。それでは、今日もパン作り楽しんでください:)
☞あわせて読みたい:
食事ロールのレシピをもとに、パン作りの工程を解説してます:
パンの作り方:計量から焼成まで【基本の工程をやさしく図解】
☞はじめてでも作りやすいレシピ:
1.基本のフォカッチャ【簡単・ふわふわ・肉厚】
2.ザクザク、タイガーブレッド【とろりクリームチーズ入り】