巷ではマリトッツォが流行っていますが、トロぺジェンヌはいかがでしょうか?
冷やしてもふわふわのブリオッシュ生地でカスタードクリームをサンドした、 南フランスのリゾート地・サントロペが発祥のお菓子です。
本記事では、バターが40%入ったリッチなブリオッシュ生地で作るトロぺジェンヌのレシピをご紹介。
バターや卵が多くべたつき、手捏ねが大変なブリオッシュ生地をおうちでも作れるよう、作り方をアレンジしました。
コツは、生地を休ませながら捏ねてオーバーナイト法で発酵させることです。
そうすることで、べたつく生地もまとまりやすくなり、しっかり膨らむ生地になります。
トロぺジェンヌはマリトッツォと同様、ブリオッシュ生地でクリームをサンドしますが、使うクリームは、ムースリーヌクリームというカスタードクリームとバターを合わせたリッチなクリーム。
マリトッツォはイタリア・ローマ発祥ですが、トロぺジェンヌは、南フランスのリゾート地・サントロペが発祥のお菓子です。
大きく焼いて、みんなで切り分けていただくので、休日の家族団らんにもぴったり。大きく焼くため、生地はしっとりしてて日持ちします。
ムースリーヌクリームでもいいですが、本記事では、夏でも食べやすいようにアレンジし、カスタードクリームとアプリコットジャムをサンドしたレシピをご紹介しています。
それでは、さっそく作っていきましょう
材料
- 焼き上がり:直径20㎝1台分
- 生地の総カロリー:995kcal(1/6スライスで約165kcal+クリームのカロリー)
- 作業時間目安:
1日目2時間30分
2日目2時間30分ほどで生地が焼ける+仕上げ&冷やす時間 - 道具:カード、めんぼう、ゴムベラ、 はけ
- 本レシピ製作日の気象条件等:8月 🌡30℃ 💧60% 晴れ
材料 | 分量(g) | BP(%)※ |
---|---|---|
強力粉 | 125 | 100 |
全卵※※ | 44 | 35 |
牛乳 | 55 | 44 |
砂糖 | 13 | 10 |
インスタントドライイースト | 1.9 | 1.5 |
塩 | 2.5 | 2 |
バター | 50 | 40 |
あられ糖 | 適量 | |
アプリコットジャム | お好み | |
カスタードクリーム | お好み | |
総重量: | 289.4g |
※※あまった卵は、塗玉で使うので冷蔵庫で保管する。
■本レシピでは、下記の強力粉とイーストを使用しました。
作り方
作り方の全体像:
それでは、作り方の詳細を見ていきましょう
1日目 生地を捏ねる
① 強力粉、全卵、牛乳をボールに入れ、カードでさっくり混ぜたら生地を20分やすませる(オートリーズと言います)
パンの骨格となるグルテンは、休ませているときにも形成されるので、バター等の副材料が多い生地や、吸水が多い生地を捏ねる際は、オートリーズを取ると生地がまとまりやすくなる。
20分経つと、生地はこのように伸びるようになります。
② 生地を作業台の上に出し、イースト、塩、砂糖を練り込むように5分ほど捏ねます。
材料がなじんだら生地を15分休憩させます。生地はまだとろとろしています。
※乾燥しないように、ボールをかぶせて休ませます。
③ バターをちょっとずつ加え、練るように5分程捏ねます。
なじんだら、生地を15分休ませます。生地はまだとろとろの状態です。
④ 生地を20分たたき捏ねします。
生地を高い位置まで持ち上げ、台に叩きつけます。叩きつけた生地は1回たたみ、また高い位置まで持ち上げて叩きながら捏ねます。
表面がなめらかになったらOKです。
<生地を持ち上げる>
<生地を台にたたきつける>
<叩きつけた生地を1回奥にたたむ>
<再度たたきつけるという動作を繰り返す>
<20分後、表面がなめらかになったらOK>
最初は生地がとろとろで不安になりますが、捏ねている内にまとまってくるので大丈夫です。
しっかり叩くことで、生地のグルテンをつなげていきます。
1次発酵(一晩冷蔵)
⑤ 捏ねあがった生地は、タッパーに入れて1時間、常温で発酵を取ります。
<1時間後の生地>
⑥ 1時間後、下写真の手順に沿ってパンチし、冷蔵で一晩(12時間程度)発酵させます(オーバーナイト法といいます)。
<左の生地1/3を中心へたたむ>
<右の生地1/3を中心へたたむ>
<手前の生地1/3を中心へたたむ>
<もう1回奥へたたんで、きゅっと張らせる>
ラップをしてからタッパーのフタをしっかり閉じ、冷蔵庫で一晩発酵させる。

2日目 成形
⑦ 翌朝生地を冷蔵からだしたら、粉を多めに振った作業台へ生地を出し、大きいガスを抜きます
通常オーバーナイトの生地は、復温と言って生地を常温に戻す工程を入れます。
しかし、この生地はやわらかくてダレやすいため、作業性を考慮し、冷蔵庫から出した扱いやすい状態で、すぐに成形をします。
⑧ 生地を丸めます。くっつきやすいので、手粉は気持ち多めに使います。
⑨ めんぼうで生地を直径15㎝に伸ばします。
最終発酵
⑩ 生地をクッキングシートを敷いた天板に移し、常温で90分程度(30℃なら60分〜)発酵を取ります。
発酵終了にあわせてオーブンは200℃に予熱します。
<発酵前>
<発酵後>
発酵終了の目安は、指で生地を押して指の跡がのこる程度。ふわっとして、大きさも2倍~3倍になれば大丈夫です。
発酵中にカスタードを炊く
生地が発酵している間に、トロぺジェンヌにサンドするカスタードクリームの準備をします。
カスタードクリームはしっかり冷やした後、ホイッパーでなめらかにほぐして利用します。
レシピは下記のリンクから参照してくださいね、

ムースリーヌクリーム について
本記事では、カスタードクリームとアプリコットジャムをサンドしますが、 ムースリーヌクリームを作りたい場合は、カスタードの分量の1/3ほどのバターを用意します。
炊いた後冷やし固めたカスタードを泡だて器でほぐすさいに、バターをちょっとずつ加えてホイップします。
クリームにツノが立つまで固くなったら出来上がりです。できたクリームは、冷やしてから使用します。
焼成
⑪ 生地に塗玉をし、あられ糖を前面にまぶします。最後にかるく手で押して、あられ糖が落ちないようにします。
あられ糖がなければ、焼成後に粉糖をまぶしても大丈夫です。
⑫ 190℃で12分焼き、様子をみて焼き時間を調整します。15分程度で焼き上げるイメージです。
トロぺジェンヌは大きく焼き上げ、かつ生地がやわらかいので、しっかり焼くことで、焼いた後生地がしぼんだり凹んだりするケービングを防げます
仕上げ
⑬ 生地が完全に冷めたら、半分にカットします。
⑭ 断面にアプリコットジャムを塗ります。( ムースリーヌクリームをサンドする場合は、シロップを打ちます。そうすることで、生地がしっとりします)
⑮ カスタードを塗ります
⑯ フタをして、冷蔵庫で2時間~冷やしたら完成
冷えたらみんなで切り分けて食べる
ホールケーキ1個分くらいの大きさになるので、みんなで切り分けて食べるのが楽しいトロぺジェンヌ。
バターたっぷりの生地なので、冷やしてもふわふわです。
めしあがれ!
製法に関する関連記事
本レシピで活用している、オートリーズ、オーバーナイト法や復温についての詳細は、下記記事にてまとめているので、よかったらぜひ参考にしてくださいね。それでは、今日もパン作り楽しんでください:)



コメントお待ちしてます!
コメント一覧 (2件)
はじめまして。
たまにパンを焼く程度ですが、こちらのブログのおかげで、毎回何とか食べられるパンを焼けるようになりました。
頻度が多くないので、生地の見極め方や、休ませながら捏ねるやり方など、本やレシピに書かれていない事を説明して頂けて、本当に助かりました。
お礼と感謝をお伝えしたく、コメントをのこしました。
Kodamaさん、はじめまして!本ブログがパン作りのお役にたてているとのこと、とてもうれしいです。わざわざコメントをのこしてくださり、ありがとうございます。これからもパン作り、楽しんで頂けたらうれしいです:)